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内視鏡を使った胃や腸など消化器の検査・治療で03年4〜12月に110人が事故にあい、12人が死亡したことが厚生労働省研究班の調査でわかった。このうち約半数は医師の技術不足や判断ミスが原因とみられた。研究班は未熟な医師の指導態勢の充実といった予防策を訴える一方、避けきれない場合も少なくないため、危険性について事前に患者に十分説明する必要があると指摘している。
調査したのは、国立国際医療センターの木村哲エイズ治療・研究開発センター長を主任研究者とする研究班。
内視鏡とともに、カテーテルという細い管を使った心臓病の検査・治療について、(1)死亡や重い障害につながった(2)重い障害にはならなかったが、手術などが必要になった、といったケースを集めた。対象は、日本消化器学会と日本循環器学会の評議員のいる大学病院や地域の中核的な病院など597医療機関。
内視鏡では、50の医療機関から110人の事故が報告された。
このうち、胃や腸のがんやポリープを内視鏡で検査したり、切除したりした際に腸の壁などに穴があいた66人(死亡は4人)の分析では、腸の壁が薄くなっているのに無理に広げようとして穴があき患者が死亡するなど、31人は、医師の技術的な問題や、判断の甘さが原因と考えられた。
ほかに血の塊を溶かす薬を使っているのに内視鏡で検査して出血した患者もいるなど、全体の約半数で医師のミスが関係していたとみられた。
ただミスの有無にかかわらず報告を求めたため治療後にがんなどで死亡したりした患者もいた。
また心筋梗塞(こうそく)の治療などで使われるカテーテルでは、22医療機関から、02年の1年間に111人の事故が起き、7人が死亡したと報告された。
元々、狭まった血管の内壁を削ったり、押し広げたりするために使うことが多く、血管を多少傷つけることは避けられないが、50例は医師の未熟さが原因と考えられた。
木村さんは、医療機関ごとの指導に加え、原因を調べて再発防止に役立てる中立的な組織が必要と指摘。「治療を受ける際は危険性を理解した上で、施設の症例数や専門医の数などを調べて受診した方がよい」と話している。研究班は07年3月まで報告を集め、再発予防策などを検討する。
(01/09 10:48)