2005年01月07日(金) 19時17分
<PCウイルス>04年被害5万件超す 前年の3倍(毎日新聞)
コンピューターウイルスの脅威が再び増大している。独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」のまとめによると、04年のウイルス被害の届出件数は5万2151件で、03年(1万7425件)の約3倍に急増した。ウイルスの種類も、パソコンの中のファイルを破壊してユーザーを困らせる「愉快犯」的なものから、ユーザーの個人情報を盗むなどの不正行為を狙って侵入してくる、より悪質なウイルスが増えている。
04年には、コンピューター内でメールアドレスを探し出し差出人名を詐称してメールを大量に送りつけて感染被害を拡大させる「スカイネット」と呼ばれるウイルスが登場。これは外部からの不正アクセスへの抵抗力を弱めるため、感染したパソコンは第三者によって遠隔操作される恐れがある。悪意のある第三者がアクセスして偽のインターネットサイトを作成したり、広告メールを大量に送りつけてくる被害が出ている。
また、送られてきたメールをクリックするとクレジットカード会社をかたった偽サイトに接続され、クレジット番号など個人情報の入力を求めてくる「複合型」ウイルスの被害も増えている。
セキュリティーソフト開発会社のシマンテックは「組織的に作られたウイルスの可能性がある」と指摘する。最近はパソコンのファイルを破壊しないで活動するウイルスが増え、感染に気づかない被害者も多く、警察の捜査員のパソコンに入っていたファイルから知らない間に捜査情報が外部に流出したケースもあったという。
IPAの相談窓口は「ウイルス110番」(03・5978・7509)。【野原大輔】
(毎日新聞) - 1月7日19時17分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050107-00000092-mai-bus_all