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2005年01月04日(火) 06時15分

GE系金融37億申告漏れ ほのぼのレイク利益海外移転朝日新聞

 ゼネラル・エレクトリック(GE)グループで米国の大手ノンバンク「GEキャピタル」(GEC)子会社(米国)の日本支店が東京国税局の税務調査を受け、03年12月期までの2年間で約37億円の申告漏れを指摘されていたことが分かった。グループ傘下で「ほのぼのレイク」を展開する消費者金融会社に融資した際、過大な金利を設定して得た利益を保証料の形でGECに移して日本国内での課税を免れたという。追徴税額は過少申告加算税を含め約8億円とみられる。

 バブル崩壊後、経営が悪化した金融機関などを買収した海外の大手金融グループが日本国内で得た利益を巧妙に海外移転させるケースも出てきている。多額の申告漏れを指摘することにより、国税当局がそうした動きに歯止めをかけた形だ。

 税務調査を受けたのはGEC子会社「ジー・イー・キャピタル・インターナショナル・ファンディング」(米国デラウェア州)の日本支店(東京都港区)。同社は99年4月に設立され、同年5月に支店が設置されたが、04年7月に閉鎖された。

 関係者によると、同社は最上級のトリプルAの格付けを持つGECの債務保証を受け、海外の投資家から低利で資金調達し、その資金を日本支店に送金。支店は貸金業の関連会社を通じ、GEグループが買収した「ほのぼのレイク」を展開する消費者金融会社に高い金利で融資し、そのうえで、その金利差によって得た利益の大半をGECの債務保証に対する保証料としてGECに払っていた。

 ところが、支店がこの消費者金融会社から受け取っていた利息は、同程度の信用力がある他の消費者金融会社が金融機関に支払う利息と比べ、はるかに高かった。さらに、支店がGECに支払った保証料も割高になっていたという。

 このため国税局は、支店が金利を過大に設定して得た利益を保証料の形に変えてGECに支払ったと認定。支店が国内で申告すべき所得が圧縮されたと指摘したとみられる。

 GECはGEグループの金融会社で、世界最大のノンバンクと言われたが、02年8月に会社が4分割された。

 日本版ビッグバンによる国内金融市場の自由化を受け、GEグループは98年にレイクの営業権や営業資産を買収したほか、99年には日本リースのリース事業を買収するなど積極的に日本に進出した。

 海外の大手金融グループが利益を海外移転させたケースでは、米シティグループ傘下の消費者金融「旧ディックファイナンス」(現CFJ)がオランダの関連会社に利益を移し、税負担を回避したとして多額の申告漏れを指摘されている。

 〈国内のGEグループを統括する日本ゼネラル・エレクトリックの話〉 税務に関する個別案件はコメントを控えたいが、弊社及び弊社のグループは、日本を含む事業を行う各国の税制にのっとり、適正な税務申告を行っている。

   ◇

〈ゼネラル・エレクトリック(GE)グループ〉100カ国以上で電機、金融など11の事業を展開している。03年の純利益は約150億ドル。米経済誌フォーブスの世界の優良企業番付で1位になったこともある。グループ本社のGEは発明家トーマス・エジソンを創業者の一人として1892年に設立された。グループは98年、消費者金融会社「レイク」の営業権を買収。グループの消費者金融会社(現・GEコンシューマー・ファイナンス)がブランド名「ほのぼのレイク」や店などを承継した。

(01/04 06:15)

http://www.asahi.com/national/update/0104/003.html