2004年12月25日(土) 15時04分
<振り込め詐欺>未遂 新手口、交通事故で記事掲載におわせ(毎日新聞)
マスコミ関係者と名乗る男が登場し、記事掲載をにおわせて振り込みを急がせる新たな振り込め詐欺の手口が明らかになった。
18日午後2時すぎ、埼玉県宮代町の男性(61)の自宅に息子を名乗る男から「もしもしお父さん、○○だよ。自動車で女の子をはねてしまった。いま浦和東警察署にいる」と電話があった。
弁護士と名乗る男が代わり、「息子さんの弁護を担当する『木村』です。脅すわけではないが、マスコミが夕刊締め切りに間に合う事件を探していて、このままでは事故が夕刊に載る。保釈金396万3000円を30分以内に振り込めば掲載を止められる」と話した。その直後、在京民放記者を名乗る男が「お宅の息子さんに絡む面白い事故を見つけた。話を聞かせてほしい」と電話してきたという。
不審に思った男性が息子の自宅に電話をしたところ、在宅していて詐欺と分かった。男性は「記事が載ると言われて動転し、お金を集めなきゃと焦った。自分は絶対にひっかからないという自信が揺らいだ」と語った。
保釈は容疑者が起訴された後、裁判所が決定する手続きで、報道とは全く関係がない。日本新聞協会は「記者を装い、取材と錯覚させるような振り込め詐欺は、正当な取材活動にも影響を及ぼしかねない。極めて悪質な犯罪で、遺憾だ」と話している。【戸嶋誠司】
(毎日新聞) - 12月25日15時4分更新
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