2004年12月25日(土) 10時35分
日本にも流入の「スーパーアスピリン」に副作用(読売新聞)
【ワシントン=笹沢教一】米食品医薬品局(FDA)は23日、副作用が少なく胃が荒れない「スーパーアスピリン(COX2阻害剤)」として、日本でも一部に出回っている米ファイザー社の人気処方薬セレブレックスやベクストラなどについて「心臓発作や脳卒中の危険を高める恐れがある」として、心臓病患者への処方や高い用量の長期使用を避けるよう医師に求める勧告を発表した。
セレブレックスやベクストラは、中高年の関節炎治療などに広く使用されている。
FDAによると、セレブレックスを多く服用している患者は、服用しない人に比べて、心臓発作などを起こす確率が3・4—2・5倍高くなり、ベクストラは心臓手術を受けた患者に発作の増加が認められたとしている。今年9月には、米メルク社の同阻害剤バイオックスも同様の副作用で自主回収されている。
FDAは、勧告を「暫定措置」とし、情報を集めた上で、さらに規制を講じる可能性もある。
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厚生労働省によると、米国で問題になっているCOX2阻害剤は、国内では医薬品として承認されていないが、インターネットの輸入代行業者や、個人輸入により、国内に持ち込まれ、使用されている。
医師や代行業者が医薬品を輸入する場合は、「薬監証明」と呼ばれる国のお墨付きが必要。厚労省は、米国で問題が表面化する前後に、証明記録を元に医師による「セレブレックス」の輸入実態を調べたが、数人がそれぞれ1、2人分を輸入しているのみだった。
ただ、輸入業者への調査は実施しておらず、また、個人で使う場合は証明は不必要なため「実際にどれだけの量が日本に入り込んでいるのかは不明」(厚労省医薬食品局)だ。
未承認薬の副作用については、医療機関や製薬メーカーが国に報告する義務がなく「輸入された薬で、どれだけの副作用が発生しているのかは把握しようがない」(同)という。
(読売新聞) - 12月25日10時35分更新
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