2004年12月24日(金) 09時11分
利用者サイトや特集本も 京セラ製PHS端末(京都新聞)
「京ぽん」がPHSを救う−。パソコン用ネットが見られる京セラ製のPHS端末「AH−K3001V」が大ヒットし、業界にブームを巻き起こしている。利用者たちが名付けた愛称「京ぽん」も定着し、京都発の端末を特集した書籍や利用者サイトも相次いで登場。キャリア会社のDDIポケット(東京都)は縮小気味のPHS通話利用者の拡大に期待を寄せている。
「京ぽん」のニックネームは、京セラのエアエッジホンを短縮した京ホンから派生した言葉で、利用者たちがネット上の掲示板で名付けた。通信が速いPHSの特性を利用してメールやネットを約5000円で定額使い放題。世界初のパソコン用サイトも見られる機能が話題を呼び、5月に発売後、品切れで手に入らない状態が続いた。
京ぽんは従来の端末の約2倍のペースで売れ、PHS業界では異例の販売数10万台を突破した。11月にはネービーブルーの新色も発売した。
ブームに乗って、パソコン上では専用の掲示板で愛好者が情報交換をしたり、専用サイトを公開する愛好家も多数登場。パソコンと同等の通信能力を持つ京ぽんならではの特性を生かしてゲームや応用ソフトなどを紹介している。
出版社も京ぽんを紹介する本を相次いで出版した。毎日コミュニケーションズ(東京都)の「京ぽんの本」は、動作速度を速める方法や便利なサイトの紹介があり、「端末1機種のみに絞った本の出版は従来なかったが、好評で第八刷までいった」(編集担当)という。ソシム(東京都)の「京ぽんの本当に使える本」もスケジュール機能の搭載方法なども掲載して人気を呼び、「応用方法を知らない人に周知できた。注文が多く、増刷を計画している」(編集部)という。
利用者約8000万人の携帯電話に押され、国内のPHSは11月末現在475万人になっている。最大手のDDIポケットの利用は11月末現在約300万人でそのうち半数以上がエアデータ通信専用利用者だ。
今後は、データ通信も兼務できる京ぽんが通話利用者増加の切り札と見て、同社は「シンプルな価格設定とウェブ閲覧機能で予想以上にヒットした。来年初めには体感速度を上げるデータ圧縮サービスも始め、普及に弾みをつけたい」(広報担当)としている。
(京都新聞) - 12月24日9時11分更新
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