2004年12月22日(水) 15時49分
Googleハッキング手法を用いるワーム「Santy」が感染拡大(ITmediaエンタープライズ)
ウイルス対策ベンダー各社は米国時間の12月21日、Google検索を用い、脆弱なphpBBを見つけ出して感染を広めるワーム「Santy」に対する警告を相次いで発した。
Santyは、phpBB 2.0.10以前に存在する脆弱性を突いてWebサーバに感染する。最大の特徴は、脆弱なphpBBが運用されているWebサーバを探し出す手段として、検索サイト「Google」を用いている点だ。「viewtopic.php」などの文字列をGoogleに送りつけ、脆弱なphpBBが動いているサイト見つかれば、攻撃用のリクエストを投げる。
過去にも、Googleを用いて脆弱なWebサイトやホストを見つけ出す「Googleハッキング」の手法が話題になってきたが、ワームに応用された例は珍しい。
Santyはいったん感染するとWebサーバ内に複製が作成されるほか、aspやhtm、jsp、php、phtm、shtmといった拡張子を備えるファイルを上書きする。結果としてWebサイトは乗っ取られ、アクセスすると「This site is defaced!!! This site is defaced!!! NeverEverNoSanity WebWorm generation X」という文字列が表示される。
phpBBはPHPで書かれたオンライン掲示板プログラムで、国内でも多くのサイトに利用されている。セキュリティ関連メーリングリストの投稿によれば、4万近いWebサイトがこのワームに感染したという情報もある。PHPについては12月17日に、複数の深刻な脆弱性が報告されていた。
ただしSantyは、phpBBが動いているWebサーバをターゲットとしているため、クライアントPCに感染することはない。Santyに感染したWebサイトにアクセスしても、そこから二次感染することはない。
Santyの攻撃を防ぐには、最新版であるphpBB 2.0.11にアップグレードすること。開発元では早急なアップグレードを強く推奨している。またSANS ISCでは、オープンソースのIDS「Snort」を用いてSantyの攻撃を食い止めるための暫定的なシグネチャを公開している。
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セキュリティ
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