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2004年12月21日(火) 00時00分

井戸水からヒ素 浦安市、通知半年遅れる朝日新聞・

 浦安市内の井戸から今春、水質基準を超える濃度で有毒物質のヒ素が検出されていたことが分かった。市は問題の井戸の所有者に連絡しただけで、周辺の他の井戸の所有者には、11月まで通知をしなかった。市内の井戸水はいずれも飲料用には使われていない、というのが判断の理由だが、汚染の原因や範囲も不明ななか、半年以上も情報が公開されていなかった。

 水質調査は、同市が把握している21本の井戸の中から、毎年1本ずつ選んで02年度から実施。今年2月、旧市街地の民家敷地内にある井戸から、水道法の基準に定める「1リットルあたり0・01ミリグラム」を超える0・04ミリグラムのヒ素が検出された。塩素イオンや有機物も基準値以上で、大腸菌群も検出された。現在は未使用との申告だったが、市は所有者に対して、念のため使用を控えるよう文書で通知した。

 汚染の原因について市は、「工場跡地でもないし、人為的な土壌汚染は考えられない。自然な状態で土壌中に含まれていたヒ素ではないか」と話す。地下の水脈の状況は全く把握されていないため、原因や汚染範囲の特定は難しいという。

 残りの井戸は、いずれも狭い旧市街地にあり、問題の井戸とは大きく離れていない。市は「台帳によると、飲用に使用している例はない。未使用か散水などに使っているだけなので、危険性はない」と判断。特別な対応をとらずに来た。しかし、10月下旬の市議会決算委員会で問題点が指摘され、残りの所有者に対し、ヒ素検出の事実と飲用禁止を注意喚起する文書を送った。

 市環境保全課は「周辺の汚染の可能性は否定できず、確かにお知らせした方がよかった。一般市民への情報提供も、広報に掲載するなど検討したい」と話している。

(12/21)

http://mytown.asahi.com/chiba/news02.asp?kiji=4777