2004年12月20日(月) 01時57分
NHKが不祥事検証番組を放送、隠ぺい体質に批判続出(読売新聞)
元チーフ・プロデューサーの逮捕などを受け、NHKは19日午後9時からNHKの不祥事を検証し、公共放送のあり方などについて討論する特集番組「NHKに言いたい」を2時間15分にわたって生放送した。
視聴者や討論出席者の間から経営責任を問う意見が相次いだが、海老沢勝二会長は「まず改革の道筋をつけるのが緊急の課題」と述べた。放送中に電話やファクス、メールで寄せられた意見は約9100件。視聴者からの意見はこの日だけで2万7000件にも達し、関心の高さをうかがわせた。
一連の不祥事に関連する番組は9月の謝罪番組に続いて2回目。1993年の「ムスタンやらせ問題」の際も特別番組を放送しているが、2回に及ぶのは、1925年にNHKが開局して以来初めて。
番組では冒頭、海老沢会長が「信頼を損ねたこと、ご心配をおかけしましたことを改めておわび申し上げます」と陳謝、「視聴者の皆様からの率直な意見に誠意を持って答え、(不祥事の)再発防止、信頼回復に反映していきたい」と述べた。
討論では、笹森清・連合会長が、「組織が肥大化し、内部に緊張感が無くなっている。チェック機能が働かなくなっている」と批判。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏は「NHKの隠ぺい体質が表れた事件だ」と述べた。また、NHKの最高意思決定機関である経営委員会について、北城恪太郎・経済同友会代表幹事は「どこに責任があったのか、それを追及するのは、経営委員会だ」として、機能していなかったと指摘した。
視聴者からは「不正は大変な背信行為。海老沢会長は責任を取るべきだ」などという意見が寄せられ、討論でも「改革を進めるには人を代えるしかない」(笹森氏)、「トップだけでなく、経営陣の総退陣が必要」(日和佐信子・前全国消費者団体連絡会事務局長、雪印乳業社外取締役)など、厳しい意見が相次いだ。これに対し、海老沢会長は「不正を起こさないよう全職員とともに一丸となって改革に取り組んでいる。厳しい意見を深刻に受け止め、視聴者に十分説明できるような道筋をつけた上で、私の責任について判断したい」と述べるにとどまった。
(読売新聞) - 12月20日1時57分更新
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