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2004年12月20日(月) 13時30分

海老沢会長、非難の嵐もやっぱり辞めない…生特別番組サンケイスポーツ

 やっぱり辞めない−。NHKの海老沢勝二会長(70)が19日夜、同局で生放送された特別番組「NHKに言いたい」(後9:00)に出演、自らの進退について「信頼回復と再発防止に努めるのが私の責務」と、辞任しない意向を明言した。一連の不祥事に陳謝はしたものの、従来の言い分を繰り返す会長に、番組出席者から「精神論ばかり」「具体性がない」と吐き捨てられる始末だった。

 「会長の精神論は分かったけど、具体的に何をするのか全く分からない。この番組見て、さらに受信料支払いの拒否が増えるのでは?」

 番組の討論会に出席していたジャーナリストの鳥越俊太郎氏は、番組の最後にあきれたような表情を浮かべて嫌味を言い残すしかなかった。

 「厳しい意見を深刻に受け止め」「一から出直す覚悟で」「抜本改革に努力して」…。2時間15分も費やした番組内で、海老沢会長からはこれまでの会見などで繰り返してきた抽象的な“お題目”ばかりがお経のように並べられたことに、嫌気が差したようだった。

 電撃辞任表明は…もちろんなかった。海老沢会長はこの日午後9時から放送の「NHKに言いたい」に生出演。表情は終始神妙で、冒頭で不祥事について陳謝した後、司会者を含む計7人の有識者との討論会に出席。

 有識者からは「経営陣の総退陣が必要」「なぜ会長が責任を取らないのか」という意見が相次いだ。番組内で紹介された視聴者からの電話、ファクスでも、会長や経営陣の辞任・退陣を求める声のオンパレード。

 海老沢会長は「会長職に恋々としているわけではない」と言いながらも、「抜本的改革を進めるために、職を投げ打つのではなく信頼回復と再発防止を苦しい中でもやるのが私の責務」と辞任を否定。「身の処し方は改革を軌道に乗せてから判断する」としたが、改革の中身も時期も具体的に言及しなかった。

 この番組では「視聴者からの意見に会長が直接答える」ことが“売り”の1つでもあった。番組には電話2973件、ファクス4211件、メール2万282件の計2万7466件の意見が寄せられたというが、会長がそれに直接答えたのはたったの3回。しかも「反省」「努力」といった、決まり文句の羅列ばかりだった。

 受信料支払いの拒否・留保件数は11月末時点で約11万3000件に及んだが、その動きは依然収まらず。「あっという間に50万とかに上がりますよ」と鳥越氏は警鐘を鳴らしたが、海老沢会長の心にどこまで届いたのか…。
(サンケイスポーツ) - 12月20日13時30分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041220-00000001-sks-ent