2004年12月20日(月) 01時35分
<NHK特番>不祥事めぐり討論 海老沢会長ら生出演(毎日新聞)
NHKの海老沢勝二会長(70)は19日、総合テレビで午後9時から生放送された特別番組「NHKに言いたい」の中で、一連の不祥事などの経営責任について「最高責任者として責任を痛感している」とした上で、「職を投げ出す前に、抜本的改革に道筋をつけたい。軌道に乗せた時点で、身の処し方については考える」と語り、現時点での辞任を否定した。
また9月に海老沢会長が参考人として呼ばれた衆院総務委員会の集中審議を生中継せず、そのことを「編集権の問題」と発言したことに関しては、「私の判断ミス。『編集権』は失言だった」と認めた。
海老沢会長は番組終了後、記者団に「軌道に乗った段階というのがいつかは、なかなか難しい。事業計画、予算、番組編成を検討しているところで、それをまとめあげてから進退は自分で判断する。任期途中で辞めることもある」と話した。
NHKをめぐっては、元チーフプロデューサー、磯野克巳容疑者(48)=今月4日に詐欺容疑で逮捕=らによる番組制作費着服事件をはじめとする不祥事や、9月に海老沢会長が参考人として呼ばれた衆院総務委員会の集中審議を生中継しなかったことなどが批判を呼び、11月末までの視聴者の受信料支払い拒否・保留が約11万3000件、金額にして約10億円に拡大した。
NHKでは9月の衆院総務委員会の2日後に、委員会のダイジェストを流したり海老沢会長が謝罪する番組を放送したが、批判は一向に収まらなかった。このため今回、海老沢会長自らが生出演して、視聴者からの批判や意見に答えるほか、有識者による討論を放送することになった。
こうしたNHKの謝罪番組は、93年の「ムスタンやらせ問題」以来。【NHK問題取材班】
(毎日新聞) - 12月20日1時35分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041219-00000076-mai-soci