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海老沢会長は自らの進退について、来年度の事業計画と予算編成、番組改編などを進め「(信頼回復と再発防止の)改革をしっかり軌道に乗せてから私自身が判断したい」と述べた。
番組終了後、記者団に対し「進退は自分で判断する。改革を軌道に乗せなければならない」と語った。
番組に対し19日午前0時から放送終了までに寄せられた視聴者の電話、ファクス、メールの総数は、計約2万7500件に上り、会長辞任要求や受信料不払いを訴える厳しい内容が目立った。
海老沢会長は番組で視聴者の受信料支払い拒否について「責任を痛感している」と強調。「信頼を損ないあらためて深くおわびする」と陳謝した上で、「一から出直すつもりでこの問題にかかわっている。視聴者の意見をNHKの改革、業務に反映させたい」と釈明した。
番組は2時間15分の放送。評論家、田中直毅氏の司会で進行した討論会で、海老沢会長は批判の矢面に立たされ、参加者のジャーナリスト、鳥越俊太郎氏や笹森清連合会長らが「改革はこのままではできない」などと追及したのに対し、海老沢会長は「恋々としているわけではない」と会長職に固執していないことを強調した。
視聴者から批判を浴びていた9月の衆院総務委参考人招致の生中継見送りについて「今思えばやっておけばよかった」と判断ミスを認めた。
不祥事や事後対応のまずさを理由に、受信料の支払い拒否、保留が急増、11月末現在で約11万3000件に上っている。NHK職員でつくる日本放送労働組合が特番の放送と会長辞任を要求していた。(共同)
【陳謝】
一連の不祥事で視聴者の信頼を損なったことをあらためて深くおわびする。皆さまの厳しい意見や批判を率直にうかがって抜本的な改革を進める第一歩としたい。
【事件認識】
一部の不心得者が放送人としての倫理観に欠け、公金に手を出して起こした事件。職員一人ひとりが危機感を持ち、いい番組を一本でも多く制作していくことで償っていきたい。
【検証番組】
事件の全容解明が進んでいる。あらためて検証番組を制作する。
【国会中継問題】
(国会参考人招致を中継しなかったことについて)隠ぺいするつもりは毛頭ない。記者団とのやりとりで「編集権の問題」と失言してしまった。今思えば中継していれば良かった。逃げ隠れするつもりはない。
【進退問題】
改革路線を進めながら道半ば。ここで職を投げ出すのではなくて、信頼回復と再発防止を進めるのが私の責務。理解が得られるような来年度の事業計画や予算を編成するのが課題。改革に向けて道筋を作る。軌道に乗せた時点で身の処し方をしっかりと判断したい。
【チェック機能】
代理請求という手続きが巧妙に利用され、盲点となった。部長レベルで止まっていた。管理体制が不十分だった。
【今後の具体策】
年明けにも各界の人に集まってもらってNHK全般について意見を聴く研究会や懇談会を開くなど、再発防止策を強化したい。来年度は視聴者の意見を聴く機会も大幅に増やしていきたい。
【特番の総括】
9000件を超える視聴者の意見をいただいた。さらに反省に反省を重ねて出直さなければならない。視聴者の立場に立って番組を制作することでお返しするという謙虚でまじめな心を呼び起こし、期待に応えたい。(共同)
(12/19 22:13)