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2004年12月18日(土) 13時03分

NHK海老沢会長居座りのワケ…19日夜9時生出演夕刊フジ

 不祥事連発のNHKで独裁体制を築いてきた海老沢勝二会長(70)が、なかなか辞任しない。内外から「辞めろ!」コールが噴出し、「辞任説」も浮上するなか、19日夜、特別番組『NHKに言いたい』で生中継に臨む海老沢会長。番組で、進退問題をどう言及するのか、注目されるが、なぜ、会長は居座り続けることができたのか。“皆さまのNHK”ならでは、3つのウラ事情がある。

 【弱気】

 「現場レベルでは、1日も早く会長に辞めてほしいのが正直な気持ち。今や問題は不祥事の是非でなく、会長の進退に絞られている。完全に膿を出し切らないと、現場はやってられない」。NHK記者は嘆く。

 内外から激しい辞任要求を突きつけられている海老沢会長だが、組合への見解は、「極めて厳しい事態を打開するため、自ら先頭に立って職責を果たしていく決意だ」。つまり、辞める気はさらさらないようなのだ。

 ただ、「『紅白歌合戦』の視聴率が40%を切ったら、辞める」との観測も流れる。

 しかも、受信料の不払い拒否・保留が11月末、11万3000件に及んだため、海老沢会長は最近、「これ以上、受信料の支払い拒否がでると、厳しい」と弱音を漏らし始めたという。

 【特番】

 そこで、注目を集めているのが、19日午後9時から約2時間、生中継される『NHKに言いたい』だ。

 海老沢会長が出演し、視聴者からのファクスなどによる批判や意見に答え、評論家の田中直毅氏を司会に有識者の討論会を行うというもの。

 土壇場まで難航していた出演者は16日になって、ようやく決定した。経済同友会代表幹事の北城恪太郎氏、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、連合会長の笹森清氏らで、この人選に、同局関係者は「多少、バランスは取れているかな」と話す。

 局員からは「さすがの会長も番組では、進退問題に触れざるをえないだろう。辞任を示唆するのではないか」といった“期待”も漏れる。

 【後継不在】

 それにしても、なぜ、海老沢会長は居座り続けることができるのか。同局関係者は「3つの事情がある」と指摘する。

 1つは、局内に後任会長となるべき人材が見当たらないという悲しい現実がある。会長以下12人の副会長、専務理事らが役員に名をつらねるが、「すべてが会長の側近。会長の独裁体制を構築するため、同期でも、できの悪い人材を登用しているとさえ思える」とは、同局OBで、椙山女学園大の川崎泰資教授。

 「会長に反論したり、批判したりした人間は容赦なく閑職に飛ばされる。こうして、会長は9年7月に就任後の7年間強で独裁体制を築いた。そんな役員に後任会長にふさわしい人材がいるわけがない。むしろ、役員全員が会長と同じ責任を問われるべきだ」

 【機能マヒ】

 実は、会長を合法的に辞めさせる権限を持つ機関がある。外部の有識者からなる経営委員会で、12人の委員は衆参両院の同意を得て、内閣総理大臣の任命を受ける。

 だが、今月7日の経営委は、この組織が会長の「御用機関」になっている実態をさらけ出した。会議後、会見した委員長の須田寛・JR東海相談役(73)=10日付で退任=は「信頼回復のため、会長の実行力に期待する」と強調。受信料拒否の急増にも「会長が代わっても拒否件数がなくなるというものでもない」と言い切った。進退問題は議題にも上がらなかったという。

 川崎氏は「有識者といっても、海老沢氏が選んだ委員を政府・自民党が追認するだけ。架空の民主制で、経営委も同罪だ」と切り捨てる。経営委の機能不全が2つ目の事情といえるだろう。

 【癒着】

 経営委員会以外に、会長のクビをとれる存在がある。自民党の有力政治家だ。

 平成3年、島桂次会長(当時)が放送衛星の打ち上げ失敗時、ロス市内のホテルに関連会社の女性といたことが発覚。このスキャンダルを隠すため、国会で虚偽答弁し、辞任に追い込まれた。

 その際、卓越した情報収集力で、島氏を追い込んだのが衆院逓信委員長(同)を務め、郵政族のドンとして君臨した野中広務氏といわれる。

 だが、今の政界には、野中氏ほど放送行政に影響力を持つ政治家はいない。むしろ、「政治部出身の海老沢氏が会長になって以来、政界との癒着を深め、持ちつ持たれつの関係を構築してきた」(自民党中堅)。

 9月の衆院総務委員会で、会長の経営責任を追及した民主党の中村哲治氏は「今のNHKの報道は、明らかに政府・自民党寄り。良く報道してほしい政治家はNHKのことを悪くいえないんじゃないか」とみる。

 同局関係者も「気のせいか、最近、放送行政に影響力を持つ自民党議員のニュースがNHKで取り上げられている。この議員の息子はNHK職員なのです」と話す。

 【予算否決?!】

 両者の癒着はこれだけでない。臨時国会で審議される予定だった同局の平成13、14年度決算案が自民党の反対で審議されなかったのだ。審議されれば、不祥事の問題も取り上げざるを得ない。「それを避けたのでしょう」(民主党関係者)

 だが、1月の通常国会では平成17年度のNHK予算案が審議される。前出の中村氏は「民主党は賛成してきましたが、今年は反対という選択肢もある。与党の賛成多数で可決される可能性は高いですが…」と話す。

 海老沢会長の命運が尽きる日はくるのか。
(夕刊フジ) - 12月18日13時3分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041218-00000011-ykf-ent