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2004年12月17日(金) 00時00分

広島で友人宅から一億一千万円入りの金庫を盗んで山分けし四カ… 東京新聞


 広島で友人宅から一億一千万円入りの金庫を盗んで山分けし四カ月で使い切った高校生らがいた。逮捕のきっかけは「飲食店で金遣いの荒い若者がいる」という捜査員の聞き込み情報だった▼奈良市の女児誘拐殺害事件は、奪った女児の携帯電話を使ってメールや画像で執拗(しつよう)に遺族につきまとう残忍な手口や、発信された携帯電話のGPS(衛星利用測位システム)機能で犯人の足取りをたどれることに目を奪われがちだ▼だが、長期化する捜査に「情報や新しいツールにとらわれすぎている。基本的な捜査に立ち返るべきだ」(毎日)というのは作家の高村薫さんだ▼確かに女児が簡単に自動車に乗ってしまったこと、一般には明らかにされていなかった妹の存在を知っていたことなど、顔見知りの可能性が強い。近隣の加虐的な異常性格者を探るなど、昔ながらの聞き込み捜査が案外突破口になるのではないか▼警察庁は、犯罪現場に残された血液や毛髪などの「DNA型情報」を集めたデータベースを十七日から運用する。DNA個人情報は北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの“遺骨”鑑定でも威力を発揮した。同一犯の特定や余罪の照会には役立ちそうだが、未知の犯人や新規の手口に過信は禁物だ▼おれおれ改め振り込め詐欺でも、犯人たちは電話や銀行口座というツールの陰に隠れて姿を見せない。面と向かって現金を受け渡しした時代には成立しなかった犯罪だ。汚職をはじめ犯罪は、乱れた生活や人間関係から生まれる。聞き込みや地取りは昔も今も捜査の王道である。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/hissen/20041217/col_____hissen__000.shtml