2004年12月17日(金) 07時28分
<犯罪情勢>「振り込め」激増、詐欺事件42%増(毎日新聞)
警察庁は16日、今年1〜11月の犯罪情勢をまとめた。「振り込め詐欺」激増を受け、詐欺事件の認知件数が前年同期比42%増の7万5427件に上り、年間では43年ぶりに8万件台に達する勢い。略取・誘拐事件も18%増の287件、住宅への侵入強盗も10%増の882件と増えた。ただ、刑法犯全体の認知件数は7%減の236万5206件と2年連続して減り、治安悪化に歯止めがかかる兆しが表れた。
刑法犯の検挙件数は5%増の62万4739件、検挙者数は4%増の35万8863人。検挙率は26.4%で3ポイント上がった。
治安回復の重点に掲げる路上強盗、ひったくりなど街頭犯罪の多くは前年より減ったが、街頭に限った略取・誘拐事件が214件と17%も増えた。被害者の7割強が未成年だった。
重要犯罪(殺人、強盗、放火、強姦(ごうかん)、略取・誘拐、強制わいせつ)の総認知件数は4%減の2万821件で、9年ぶりに減少に転じた。検挙率は52.5%で、0.4ポイント改善した。
重要窃盗犯(侵入窃盗、自動車盗、ひったくり、すり)は12%減の37万6330件。このうち建設機械などでATM(現金自動受払機)を壊す窃盗事件(未遂を含む)が7割増の62件で著しく増えた。カードを悪用した犯罪も急増。カード偽造は3割増の569件。不正に取得・作成したカードで現金を引き出す事件は4051件で、被害総額は24億9000万円に上った。カードを使った詐欺事件は1472件で、被害総額は1億9000万円だった。
少年犯罪で刑法犯検挙者数は6%減の12万2867人。「振り込め」など詐欺が963人で、64%の激増となった。来日外国人犯罪の検挙は24%増の3万615件、検挙者数は3%増の8286人で、過去最高のペース。【窪田弘由記】
(毎日新聞) - 12月17日7時28分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041217-00000037-mai-soci