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新ターミナルに移った全日空は今月末まで、ビットワレット社の電子マネー「エディ」が使える「ANAマイレージクラブEdyカード」の加入キャンペーンを実施。発行手数料(五百円)を無料にする。
「一万マイルを一万エディ(一万円相当)に換え、コンビニのam/pmなどで使うことができます。エディを使うと再びマイルがたまります。ぐるぐる回して(顧客を)逃さないぞ、という感じです」。マイレージ企画担当の村田加奈子さん(37)は強調する。
全日空がマイルとエディの相互交換を始めたのは昨年六月。二〇〇二年に日航と日本エアシステムが経営統合したため、サービス強化に踏み切った。会員千百万人のうち百二十万人がエディ付きカードを所有。全日空分を含むエディの総発行枚数は六百五十万枚に上る。
今年七月からは、インターネット商店街「楽天」のポイントとマイルの相互交換も開始。村田さんは「何種類ものポイントカードがある中で、ANAのカードを財布に入れてもらうには身近に感じていただく必要がある」と、互換性を高めた狙いを説明する。
これに対し日航は、「スイカ」カードを発行するJR東日本と提携。今月一日から、クレジット機能付きの「ビュー・スイカ」と統合させたマイレージカード「JALカードSuica」の入会受け付けを始めた。
JALセールスの田中正純さん(39)は「来年四月から年間二万マイルまで、一万マイルを一万円相当でスイカにチャージ(入金)できます。JR東日本のポイントをマイルに変えることも可能です」と空と陸の一体サービスをアピールする。
JALのカード会員は計千六百六十万人、スイカの発行枚数は千三十万枚(うちビュー・スイカは三十万枚)。スイカに入金した電子マネーは切符購入のほか、駅構内の売店やファミリーマートの一部店舗で使うことができる。八月からはJR西日本管内でも切符を買えるようになった。
エディやスイカは、多機能で不正が困難なICカードを採用。日航と全日空もICカードへの切り替えを進め、チケットレスなどで搭乗手続きも簡素化したい考えだ。
ポイントの付加機能や相互交換が容易なICカードを軸にした企業の合従連衡は、さらに広がりつつある。
NTTドコモは七月、エディが使えるICチップ搭載の携帯電話を発売。KDDI(au)も来秋、エディ対応の携帯を登場させる。ビデオレンタルなどのゲオ(会員七百万人)は十一月、エディが使える会員カードの発行を始めた。
一方でJR東日本は、来年度に開業する新銀行東京と提携し「ビュー・スイカ新銀行東京カード」を発行する。スイカ機能付き携帯電話「モバイルSuica」のサービスも来年度中に始める方針だ。〇六年度には、関東の私鉄・バス業界が発行するICカードとも相互利用できるようにする。
ICという電子の世界で“現金”と混然一体になりつつあるポイントサービス。
利用者にとっては便利さが増す半面、「少なくとも航空業界は企業体力の消耗戦に陥っている。(相互交換が広がれば)サービスを提供する企業の顔が見にくくなる」と囲い込み効果を疑問視するアナリストもいる。
文・森川清志/写真・山根勉、安江実、川柳晶寛
(メモ)マイレージ
航空機の搭乗距離に応じてポイントの「マイル」がたまり、無料航空券などがもらえるサービス。例えば普通運賃(エコノミークラス)で成田−ニューヨークを往復すると約1万3000マイルを獲得。1万5000マイルで成田−ソウルの往復航空券(同)と交換できる。米国で1980年代に始まり、日本の国内線では97年から。マイルがたまる対象はホテルやレンタカー、飲食店、百貨店、保険の契約などにも広がっている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20041216/mng_____thatu___000.shtml