2004年12月15日(水) 00時00分

インターネット懸賞で「当選商法」（朝日新聞・）

　　ご当選おめでとうございます−−。県消費生活センターは１４日、インターネット接続サービス「ヤフーＢＢ」のクイズの懸賞に応募したところ、何者かが「当選しました」と連絡してきて、高級乗用車の納車代として金をだましとろうとするケースが発生した、と発表した。同センターは「どこかで個人情報が漏れた可能性がある」と、注意を呼びかけている。

　　「約６００万件の中から厳正なる抽選の結果、見事Ａ賞ポルシェ・ボクスターがご当選となりました」

　　県内に住むある女性のもとに１０日、こんな手紙が郵送されてきた。女性は１０〜１１月に、ヤフーＢＢのホームページ（ＨＰ）のクイズに応募した。当たったとされる賞品は、新車で６００〜７００万円する高級車だ。

　　ただし、通知には「諸費用として約４２万円の自己負担が必要」と書いてあった。記されていた番号に電話すると、電話に出た男性から「書類を送る」と言われた。

　　だが、念のために、抽選を実施していたＨＰを通じて問い合わせたところ、通知は全くのウソ。女性の家族が、センターに通報した。

　　同サービスを運営するソフトバンク（東京）広報室によると、同様のケースは、すでに全国で数十件発生しているという。同社は今月、応募者全員に注意を呼びかけるメールを送った。

　　手口はまず、何者かが、「（懸賞などに）当選しました」との内容のメールを送りつけてくる。メールで指示されて住所などの個人情報をＨＰで登録すると、手数料を口座に振り込むよう電話で求めてくる。

　　同社によると、被害者の中には懸賞に応募したケースと、そうでないケースがあるという。県消費生活センターによると、最初の女性の場合は、インターネットで応募しただけで偽の当選通知が舞い込んだ。

　　同センターは「断定はできないが、個人情報がどこかから漏れている可能性がある」と指摘する。

　　「あなたが○○に当選しました」というはがきや電話で誘い、強引な勧誘をしたり手数料をだまし取ったりする詐欺は「当選商法」と呼ばれる。昨年度の７６件から、今年度は２７３件（１１月末現在）と、３倍以上に急増しているという。

　　問い合わせはセンターの相談窓口（電話０９６・３５４・４８３５）へ。


（12/15）

http://mytown.asahi.com/kumamoto/news02.asp?kiji=4051