2004年12月15日(水) 09時39分
明暗分かれる中国PC市場(1)(japan.internet.com)
PCメーカーの Dell は2003年、2004年の第3四半期における世界PC出荷台数で第1位となり、そして世界第2位のPC市場規模を誇る中国市場においてもその強さを誇っている。2004年8月、同社が中国のPCローエンド消費者市場から撤退し、ハイエンドPC市場やサーバーPC市場に特化するニュースが流れた。ローコスト運営に強みのある中国PCメーカーとの価格競争を維持すると、Dell の品質やサービスが低下する恐れがあると判断したためだ。
2006年〜2008年のPC出荷台数の平均成長率は、2003年〜2005年の平均成長率の半分程度に落ち込み、世界大手10社のPCメーカーのうち3社が撤退すると予想されている(出典:2004年11月 NIKKEI NET 米ガートナー記事)。そんな市場の冷え込みが予想される世界PC市場で、各PCメーカーは生き残りをかけ、PC販売台数の成長率が高い中国PC市場に焦点をあて、より激しい競争に発展していくと思われる。
中国のPC市場における状況と動向を見てみる。
中国情報産業部系の賽迪顧問(CCID コンサルティング)の調査によると、2003年のPC販売台数は約1,300万台、PC販売金額は約920億元であった。2000年から2003年まで、年平均成長率は、販売台数が21%、販売金額は15%と高い伸びを示した。
次にPC販売台数とPC販売金額のデータを、PCのタイプ別に見てみる。
デスクトップPC市場は、2000年から2003年までの間に、販売台数が年率平均約19%、販売金額が約12%成長した。全体のPC市場の中で、2003年のデスクトップPC市場の構成比率は、販売台数が約90%で、販売金額は約77%と、全体の中でデスクトップPCは大きな市場シェアを占めていた。しかしそのデスクトップPC市場の構成比率は、販売数量ベースで約92%(2000年)から約88%(2003年)、販売金額ベースでは約80%(2000年)から約74%(2003年)と減少傾向にある。
デスクトップPC市場の成長率より高い成長率で推移しているのが、ノートブックPC市場である。ノートブックPC市場は、2003年の全体PC市場構成比率において、販売台数が10%、販売金額が19%とデスクトップPCに比べかなり低いものの、2000年から2003年までの平均成長率は約44%(販売台数)、約31%(販売金額)とデスクトップPCの成長率を大きく上回り、今後もこの傾向はしばらく続くことが予想される。
2003年におけるサーバーの市場構成比率は、PC市場全体でみると、販売数量が約2%、販売金額は約8%であった。過去2000年から2003年までのサーバー市場の年平均成長率は、デスクトップPC市場の成長率にほぼ等しく、販売数量が19%、販売金額が10%であった。
現地で簡単に組み立てができるデスクトップPCは、ノートブックPCに比べ価格がかなり低く抑えられる。その価格面での有利さが主な要因となり、中国PC市場ではデスクトップPCが全PC市場の中で大きなシェアを占めていた。高い経済成長に裏づけされた中国人消費者の購買力の増加や、2001年3月に採択された第10次5か年計画の中で、中国情報産業部の情報化推進政策の後押しを受けて、学校教育分野などでノートブックPCが数多く導入されたことなどのプラスの要因が、ノートブックPCの販売台数増加を加速させている。
成長著しいノートPCの製品動向をみてみると、CCID の調査では、2001年にはCDドライブやFDドライブが本体に入った一体型がノートブック市場全体の約6割を占めていた。
だが2003年には、CDドライブやFDドライブの取外し可能なタイプが6割近くを占めた。さらにCDドライブやFDドライブをコネクタなどで取付け、PC内部に収納スペースを持たない薄く軽いPCタイプと合わせると全体の約8割を占めるに至った。またモニターのサイズは、12インチ、13インチ、14インチ、15インチとあるが、14インチモニターが、2001年の約38%から2003年には約66%と、市場構成率が増加、ノートブックの主流のタイプは、軽く薄く持ち運びが便利なタイプへと大きく変わった。【次回へ続く】(記事提供:
チャイナサーベイ )
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