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保険業界で契約者の個人情報流出が相次いでいる。情報を記録したパソコンが盗まれる事例が多く、流出件数は7月以降の主なものだけでも1万8000件を上回った。8日も損害保険会社の販売代理店(愛媛県宇和島市)から、829件の情報が流出しており歯止めがかかっていない。各社とも防止策に躍起だが、すべての代理店や営業職員に徹底するのは難しいのが実情だ。営業で使う携帯型パソコンの管理の甘さも指摘されており、金融庁は指導を強める方針だ。
これまでに流出を公表したのは20社以上で、損保は大手の大半が含まれる。営業職員がパソコンを車内に放置して車上荒らしにあったり、代理店の事務所が空き巣にあったりした場合が多い。なかには営業職員がパチンコをしている間に、車内から盗まれるケースもあった。各社とも「短時間でも放置は厳禁」と、繰り返し指導しているが流出はとまらない。
損保の代理店は全国に約30万店あり、従事者は約170万人に上る。生命保険会社の営業職員も約28万人に上り、「研修を強化しても、一部に意識が低い人もいる。全員に周知徹底させるのは難しい」(大手生保幹部)と認める。
流出した個人情報は、氏名や住所、電話番号、保険の種類などで、各社とも「健康状態や金融機関の口座番号といった、重要な情報はほとんど含まれていない」と主張する。情報をもとにした架空請求などの被害も確認されていないというが、契約者には不安は残る。
金融庁は再発防止を、繰り返し各社に求めてきた。来年4月の個人情報保護法の全面施行を控え、業界団体の生命保険協会(40社加盟)と日本損害保険協会(23社加盟)も共通の指針づくりを進めている。ただ保険業界が銀行などほかの金融業界より流出が目立っていることに金融庁は危機感を強めており、「業務改善命令」を含む厳しい姿勢で臨む方針だ。
(12/12 12:54)