2004年12月10日(金) 00時00分
フィブリノゲン納入の可能性 県内は83病院(朝日新聞・)
C型肝炎に感染する恐れのあるフィブリノゲン製剤が納入された可能性のある医療機関は県内に83あることが9日、厚生労働省の発表で分かった。うち19施設は既に廃院していた。納入されても使わずに返品した病院もあるが、県健康対策課は「投与を受けた可能性がある人は早めに検査を」と呼びかけている。
厚労省のリストでみると、廃院を除く県内の64施設のうち、フィブリノゲン製剤を投与したとみられるのは17施設。投与していないとみられるのは4施設で、不明の施設が43だった。
医師法で義務付けられているカルテの保存期間は5年。製薬会社が納入時期として挙げた当時のカルテが残る病院は、厚労省のリストでは11病院にとどまる。
県立病院(大分市)はカルテの保存期間は20年。製薬会社には20年以上前の納入記録があるが、当時の治療状況は分からないという。さらに、入院患者だけでも年間約9500人に上り、残っているカルテをすべて調べるのも難しい。榎園英二医事課長補佐は「問い合わせにはきちんと対応する」と話す。
大分大医学部付属病院(挾間町)も、カルテがあるのは85年6月以降。患者数は20万人以上になる。浜野満夫医事課長は「問い合わせを待つしかない。すべてに応じる態勢を取る」としている。
一方、製薬会社の納入記録に基づいてカルテを調べ、投与した患者を特定した施設もある。
81年に開業した日田市の五反田胃腸科外科病院はすべてのカルテを保存しており、7人を特定した。生存していた2人には説明したという。五反田利幸院長は「徹底的に調べた。この問題で医療に悪いイメージを持たれないか心配だ」と話す。
別府市の別府今村クリニックもカルテがあり、84年と88年に2人に使ったことを確認した。2人は肝炎の検査を終えたという。今村安吉院長は「輸血を大量に必要とした重症患者に、当時は安全な製剤ということで使った。病院名を公表することで、厚生労働省が責任逃れをしている気がする」と指摘する。
県は「投与の対象は大量に出血する手術をした人らだが、不安があれば早めに検査をしてほしい」と呼びかけている。県の相談窓口は、健康対策課(097・536・1111、内線2674)か医務薬事課(内線2649)。
(12/10)
http://mytown.asahi.com/oita/news02.asp?kiji=5139
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