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2004年12月10日(金) 00時00分

フィブリノゲン納入県内は59病院・医院フィブリノゲンの危険性を提示し、患者に知らせている病院もある=福井市新保の福井循環器病院で朝日新聞・

県、8カ所に相談窓口
 
 肝臓がんなどにつながるC型肝炎の感染源とされる血液製剤「フィブリノゲン」をめぐり、厚生労働省が9日、製剤を納入した医療機関として公表したのは県内では59病院・医院だった。最後に製剤が使用されてから10年が経過し、カルテを破棄している医療機関も多く、患者に感染の危険性を告知しているのは8病院・医院だけだった。全国で28万人に使用されたとみられ、県医務薬務課は「不安がある人は検査を」と呼びかけている。

 59病院・医院のうち、「購入したが使用しなかった」としているのは2医院。3医院は使用者を特定して告知を済ませ、5病院・医院は「記録はないが医師の記憶では使っていない」とした。また11病院・医院は廃業しており、小浜市の1医療機関は所在不明だった。

 県医務薬務課は8日、納入があった医療機関の担当者を集め、国や県、製薬会社の相談窓口の設置などについて伝え、問い合わせがあった場合の対応方法などを指導した。

 だが、患者に対し、過去に投与したことを自主的に公表し、検査を呼びかけている医療機関は現時点で8病院・医院だけだ。

 福井循環器病院(福井市)は今年5月に「C型肝炎検査のおすすめ」という説明文を院長名でロビーや病棟などに張り出した。同製剤の使用患者以外にも、92年以前に輸血を受けた人などに検査を呼びかけている。

 同病院企画部は「心臓手術を多くしており、患者さんにきちんと告知する必要がある。説明文のほか、外来では個別に説明し、現在通院していない人には今後郵送で知らせたい」としている。

 医師法が定めるカルテの保存期間は5年間。納入があった59病院・医院のうち、当時のカルテが一部でも残っていると回答したのは、同病院を含め5病院・医院しかなかった。

 県済生会病院(同市)は「保存してあるカルテの量が膨大でとても使用患者を特定できない。患者から申告があった場合だけ対応している」(診療部)としている。

 福井市内のある病院は「いたずらに不安をあおる」と告知に消極的だ。別の病院関係者は「使用時期は10〜40年前で、亡くなっている患者も多いと推測される。遺族から調査を請求されたらどうしたらいいのか」と頭を抱える。

 C型肝炎ウイルスに感染すると食欲不振、発熱、吐き気など風邪に似た症状が出る場合があるが、全体の7割は無自覚という。食器の共有など日常の生活での接触感染はしないが、ピアスや入れ墨などを入れる際に器具を共有すると感染の可能性が高まる。県医務薬務課は「当時輸血をするなど不安がある人は検査を受けてもらいたい」と話す。

 県は、福井(福井市)、坂井(あわら市)、奥越(大野、勝山両市)、丹南(鯖江、武生両市)、二州(敦賀市)、若狭(小浜市)の各健康福祉センターに相談窓口を置き、ウイルス検査を行う。C型ウイルス検査だけだと検査料は2270円。問い合わせは同課(0776・20・0346)=平日の開庁時間=へ。
(12/10)

http://mytown.asahi.com/fukui/news01.asp?kiji=4392