2004年12月10日(金) 00時00分
県内76医療機関 フィブリノゲン納入疑い(朝日新聞・)
C型肝炎に感染する恐れのあるフィブリノゲン製剤を県内の76の医療機関が購入した可能性があることが分かった。県は94年までにこれらの医療機関で治療を受けた人に、病院や保健所で検査を受けるよう呼びかけている。
厚生労働省が公表した資料によると、県内で同製剤を購入した可能性があるのは76の病院・診療所。このうち、現在も存続しているのは59カ所、廃院は14カ所、不明が3カ所となっている。
投与されたかどうかはカルテを確認するしかない。医療機関のカルテ保存義務は5年間のため、ほとんどの医療機関ではすでに破棄されているが、中には保存しているところもある。
その一つ、八戸市立市民病院は「診療科によっては、かなり前のカルテも保存している。問い合わせがあれば、積極的に応じたい」としている。
また、88年6月まで同製剤を購入していた青森市の県立中央病院も「受診時期や診療科が分かれば、調べられるものもある」という。
一方、青森市民病院と弘前市立病院はともに94年以降のカルテしかなく、「心配な人は検査に来てほしい」としている。
病院名の公表を受けて県は、ホームページなどでC型肝炎の検査受診を呼びかけ、各保健所で検査を実施する。年齢制限はなく、自己負担は一回あたり1216円だ。
フィブリノゲンによるC型肝炎の感染が最初に国に報告されたのは87年4月。県内の病院で86〜87年にかけて同製剤を投与された患者8人が急性肝炎になったのがきっかけだった。
病院の関係者は朝日新聞の取材に「厚生省は当時、まったく動かなかった。すぐに対処していれば、多くの患者が救われたはずだ」と憤りを隠さなかった。
(12/10)
http://mytown.asahi.com/aomori/news02.asp?kiji=7359
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