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タダノ（高松市）製の大型クレーン車で死亡事故が起きた問題で、同社の高戸紀幸副社長らが１０日、高松市役所で記者会見し、「車両に欠陥があったと認めざるを得ない」との見解を初めて示した。同社はこの日、８３〜９８年製造の約１万５千台のリコール（無償回収・修理）を国土交通省に届けた。同省は「対策が遅れて死亡事故が起きた」として同社に業務改善を指示した。
会見で、高戸副社長は「死亡事故に至ったことを大変申し訳なく思う」と陳謝。事故原因について、同社側は「リコールに至る経緯を整理する中で、（事故車両に）安全上、不十分な点があったという認識を持った」と説明した。９日の会見では、同社側は「（死亡事故の）直接原因は運転手の操作ミス。これにスイッチの故障が重なったのではないか」などとしていた。
また、同社は、岡山県船穂町で今年８月に起きた死亡事故の遺族に対し、幹部が訪問して謝罪する意向を明らかにした。
事故で妻を亡くした岡山県倉敷市の会社員藤井淳さん（３４）は１０日、「まだ一般道を欠陥車という凶器が走っている。私のような思いをする人をもう二度と出さないようにしてもらいたい」と語った。クレーン車に欠陥があったことは９日、報道関係者からの問い合わせで初めて知ったという。
国交省などによると、この車種では同種の物損事故が９６年以降、計５件起きており、同社は９８年６月から自主的に安全装置を追加したが、リコールはしていなかった。
８月の死亡事故では、同社の大型クレーン車が対向車線に飛び出してワゴン車に衝突、６人が死傷した。このクレーン車には、ハンドル操作と逆方向に曲がってしまう欠陥があり、運転手がセンターラインから車を左に戻そうとハンドルを切ったところ、逆に右に動いたとされる。
(12/10 22:45)