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リストをどう受け止めればいいのか、C型肝炎ウイルス(HCV)の検査がなぜ重要なのか、などを専門家の見方を基にまとめた。
〈Q〉 フィブリノゲンとはどんなものですか。
〈A〉 64年の承認後、止血や臓器の接着のため産婦人科や外科などで広く使われました。数千人以上の血液を混ぜた「プール血漿(けっしょう)」から作られ、ウイルスで全体が汚染される危険性があります。使用後の肝炎発症報告は85年以前は5例でしたが、同年にウイルス処理方法を変えて、各地で感染が相次ぎました。87年に加熱処理に変更後も感染は続きました。88年に「緊急安全性情報」が出され、販売量は激減。処理を強化した94年以降、感染例は報告されていません。
〈Q〉 リストで公表された医療機関を受診したことがあり、心配です。
〈A〉 三菱ウェルファーマはフィブリノゲンを納入した医療機関へのアンケートを基に、使用後の肝炎発生率を3.7%、肝炎患者数を約1万人と推定していますが、実際の感染率は不明。受診が94年以前ならば、HCV検査を受けた方がいいでしょう。
〈Q〉 検査はどこで受けられますか。
〈A〉 多くの保健所や医療機関で受けられます。費用は全くの自己負担なら2000〜3000円程度のことが多いようです。住民健診の節目(40、45、50、55、60、65、70歳)などに当たれば負担は減ります。厚労省や自治体の窓口に相談するのが得策です。
〈Q〉 公表された医療機関を受診していなければ安心していいのですか。
〈A〉 国内のHCV感染者は、推定で100万〜200万人。血液製剤による感染者はその一部です。昔の輸血や注射器の使いまわしなど不衛生な医療行為での感染者も多数います。長く自覚症状がなく、気づかずにいることが少なくないので、健康診断で肝機能の異常を指摘されたことがあるなど心配がある人は、これを機に検査を受けてはどうでしょう。費用負担などの条件は、今回の該当者と同じです。
〈Q〉 そもそもC型肝炎とはどんな病気ですか。
〈A〉 HCV感染が原因で肝細胞が破壊される病気です。悪化すると全身の倦怠(けんたい)感や吐き気などがあり、黄疸(おうだん)が出る場合もあります。症状の進み方は人により違いますが、年齢とともに発症リスクが高まり、一般には感染後20〜30年で約3割の人が肝硬変になり、30〜35年でそのうち約半数が肝がんになるといわれます。急増している肝がん患者の8割がHCVに感染しています。
〈Q〉 C型肝炎の治療法は。
〈A〉 インターフェロンという薬を一定期間注射し、体内のウイルスを減らす方法が主体です。ウイルス量が少ない初期ほど有効なので、感染を早く見つけ、早く治療を始めたい病気です。
〈Q〉 インターフェロンは副作用があると聞いたことがあります。
〈A〉 発熱やだるさ、体の節々の痛みなど風邪に似た症状や、抑うつなどの精神症状などの副作用があります。しかし、12月からペグインターフェロン(PEG)とリバビリンという飲む抗ウイルス薬の併用療法に公的な医療保険が利くようになり、副作用を抑えながら従来以上の効果が得られるのではないかと期待されています。治療法は進歩しています。
(12/09 20:46)