『医療ミス』とおれおれ詐欺県内最高額２５００万円被害（東京新聞）

2004年12月08日(水) 00時00分

　横浜市で勤務する七十代の医師宅に、勤務医の息子を装った男から「医療ミスで人を殺した」と電話があり、父親の医師が計二千五百万円をだまし取られたことが七日、県警捜査二課の調べで分かった。おれおれ詐欺の被害額としては県内過去最高。

　調べでは、息子を装った男から一日、医師宅に泣きながら「医療ミスで人を殺してしまった」と電話があった。続いて病院長、弁護士を名乗る男が次々と電話に出て「見舞金に五百万円必要で、葬儀代や慰謝料にさらに数千万円かかる」と要求。医師は計千五百万円を指定された金融機関の口座に振り込んだ。

　また翌二日にも弁護士事務所職員を名乗る男から「さらに一千万円必要」と電話があり、要求通り振り込んだ。しかし、同日午後、勤務先の病院に息子が訪れ、だまされたことに気付いた。

　同課は先月末、県医師会や県病院協会を通じて、県内の医療関係者に注意喚起を求める通知を出したばかり。この医師も通知は知っていたが、被害に遭ったという。

　同課は「名簿を手に入れたり、『マニュアル』をつくるなどおれおれ詐欺の手口は巧妙化している。自分だけは被害に遭わない、と思わないでほしい」と訴えている。

　県内の今年（十一月まで）のおれおれ詐欺被害は、認知件数が千四十五件（うち未遂二百六十九件）で、被害総額は約十五億二千万円。

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