2004年12月07日(火) 16時20分
携帯簡易メール、架空請求が急増 返信の中高生標的、多額支払いのケースも /栃木(毎日新聞)
◇番号だけの送信法に目付け−−県消費生活センター
NTTドコモの「ショートメール」など、相手先の電話番号だけで送信できるメールを使った架空請求の被害が、中高生の間で急増していることが県消費生活センターの調べで分かった。通常のアドレス利用のメールと違い、数字の組み合わせが電話番号に合えば送信できるため、悪用されているとみられる。業者の督促電話で現金を支払った例もあり、同センターは新手の手口として注意を呼びかけている。
同センターなどによると、中高生が被害に遭っているのは「ショートメール」のほかに、「Cメール」(au)、「スカイメール」(ボーダフォン)など、電話番号だけで送信できるメール。4〜10月までに寄せられた相談約8400件のうち、携帯電話が絡んだ架空請求は約1940件で、中高生からの相談は約2割。そのほとんどがこれらのメールだった。
ショートメールなどは、利用料が通常のメールより安価で、中高生など学生に利用者が多いことが被害拡大の一因になっているとみられる。
いずれも「写真を撮ったから見て」などと友人からのメールを装う手口が大半で、受信者がメールの指示に従い、指定のサイトにアクセスすると、「入会ありがとうございます。入会金8万円を支払ってください」などと求められる。
サイトにアクセスすると業者側に利用記録が残り、督促電話がかかるケースが多い。同センターによると、再三の電話に恐怖心を募らせ、自分の小遣いで9万円を支払った男子中学生や、10万円を指定の口座に振り込んだ高校生もいるほか、私立高校関係者によると、支払いのために友人から借金をしてトラブルになった事例もある。
携帯電話販売店によると、電話番号を変えるほかは、今のところ防止策がないのが現状。同センターによると、「入会金」や「利用料」の存在を知らずにサイトへアクセスした場合には、金を支払う法的な根拠はないという。
同センターの小堀伸彦主査は「督促電話がかかってきたら、悩まずにすみやかに同センターや家族、教師に相談してほしい」と話している。【吉井理記】
12月7日朝刊
(毎日新聞) - 12月7日16時20分更新
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