2004年12月07日(火) 11時37分
暴力団に「みかじめ料」 ホテル客待ちタクシー(琉球新報)
那覇市内の大型ホテル前で客待ちをしているタクシー運転手がグループをつくり、他のタクシーを排除するため、暴力団員にみかじめ料を支払っていたことが6日、分かった。運転手は客を独占するために暴力団を後ろ盾として利用していたという。県警は同日までに、暴力団対策法に基づいて県内の暴力団員3人に中止命令を出した。県警の調べでは、3人は、市内ホテル3か所で客待ちしている約60人から、月に少なくとも計60万-90万円のみかじめ料を得ていたとみられる。3か所のみかじめ料徴収の開始時期は異なるが、少なくとも1989年以降、計約1億円を受け取ったとみられる。
県警は暴力団員が県内各地で、客待ちのタクシー運転手からみかじめ料を取り、資金源にしている可能性もあるとみて全容解明に向け捜査を進めている。これまで暴力団とタクシー運転手のつながりを指摘する声もあったが、実際に縄張り料を受け取っていた暴力団員に対して、県警が中止命令を出すのは初めて。
中止命令を出されたのは、指定暴力団3代目旭琉会丸宏一家幹部ら暴力団員3人。3人は那覇市内の大型ホテル3か所を縄張りとし、各ホテル前で客待ちをする運転手らからみかじめ料を徴収していた。2か所は1989年ごろから、もう1か所は94年ごろからみかじめ料を得ていた。
みかじめ料を支払っていたのは、ホテルの入り口付近で客待ちをしていた運転手約60人。ホテル1か所につき、約20人から30人の運転手仲間でグループを作り、みかじめ料を支払っていた。
昼間の客待ちの場合、グループの取りまとめ役の運転手が、1万円ほどかかる北部観光などの長距離の乗車1回につき、1000円を各運転手から徴収し、毎週まとめて暴力団員に支払っていた。
また、夜間客待ちをしていた運転手からは1人当たり月々1万円から2万円のみかじめ料を徴収していた。夜間勤務の運転手らは歓楽街などに出かける観光客らを乗車させていたという。
<ニュース用語>中止命令
暴力団封じ込めのため1992年3月に施行された暴力団対策法に基づいて発せられる行政命令で、暴力団の威力を示して行われる暴力的金銭要求行為などを中止させる。違反行為に対して刑罰はないが、命令を無視した場合には1年以下の懲役、または100万円以下の罰金に処されるなど、刑罰の対象となる。
(琉球新報) - 12月7日11時37分更新
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