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ＮＨＫの元チーフプロデューサーによる番組制作費詐取事件で、元放送総局番組制作局所属の磯野克巳容疑者（４８）＝詐欺容疑で逮捕＝がイベント企画会社社長上原久幸容疑者（４８）＝同＝に報酬として金を支払う際、本来は部下が担当する経理手続きを代行し、自分一人で行っていたことが警視庁の調べで分かった。また、磯野容疑者は詐取した金を欧州などの海外旅行や飲食に使ったという。
ＮＨＫでは、放送作家らへの報酬を支払う際、番組ごとに経理担当のデスクが仕事内容に応じて報酬額を決める。その支払い請求はコンピューターで入力し、これを上司のチーフプロデューサーが点検・承認する仕組みになっている。
ところがデスクがロケや長期出張などで不在の場合の特例として、チーフプロデューサーが自分の職員カードと暗証番号を使い、デスク名で支払い請求したうえで自分で決済する「代理請求」のシステムがある。
捜査２課の調べでは、磯野容疑者は、デスクの不在を見計らって入力していたという。逮捕容疑となった「ＢＳジュニアのど自慢」など２番組７回分の報酬計約２７０万円は、すべて「代理請求」で支払われていた。また、報酬を支払うためのデータベースへの登録についても、自分で行っていたという。
(12/06 06:07)