2004年12月05日(日) 00時00分
「裁判員制度」に向け模擬裁判 八千代座で(朝日新聞・)
重大な刑事事件の審理に国民が参加する「裁判員制度」への理解を深めようと、県弁護士会などが4日、山鹿市の芝居小屋「八千代座」で模擬裁判を開いた。高校生や社会人ら36人が裁判員役で参加し、09年5月までに始まる制度を一足早く体験した。
「肩が当たった」という理由で男性から暴行を受けた男子大学生が、車から包丁を取り出して追いかけ、仲間といた男性に謝罪を迫った後、上腹部を刺した。肺損傷など3カ月の重傷を負わせ、殺人未遂罪に問われた−−との設定。被告人は事実関係は争わず、「殺意」を否認した。
評議の時間に移ると、裁判員は「包丁を取り出したのだから殺人未遂罪では」「検察側の殺意の立証が不十分で傷害罪が妥当」などと真剣な議論を交わした。
裁判員6人と裁判官3人による評決は、5対4で「殺意を認めない傷害罪」が妥当と判断された。
被告人や証人に扮したのは、現役の検事や弁護士、司法修習生ら。会場では、約350人が熱演を見守った。関係者の家族で宮崎県西都市から見学に訪れた佐川嘉正さん(63)は「真実を見極めるのは本当に難しい。もし自分が選ばれたら、よく勉強しないといけない」と話した。
(12/5)
http://mytown.asahi.com/kumamoto/news02.asp?kiji=4024
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