2004年12月05日(日) 00時00分

海老沢会長への退陣圧力強まる 止まらぬ受信料拒否　 （東京新聞）

　元チーフプロデューサー磯野克巳容疑者の逮捕を受け、ＮＨＫの海老沢勝二会長は四日午後七時からのテレビの全国ニュース終了後、「皆さまの受信料を基に運営しているＮＨＫとして、あってはならないことで、極めて遺憾なこと」などと謝罪した。

　しかし、七月以降の一連の不祥事で、視聴者の受信料支払い拒否・留保は、すでに約十一万三千件（十一月末現在、速報値）という異常事態。今後、支払い拒否がさらに拡大すれば、海老沢会長の進退も問われそうだ。

　ＮＨＫでは、磯野容疑者の着服発覚以降も不祥事が続出。このため、ＮＨＫは二千三百人の管理職が全国の支払い拒否世帯を訪問し、理解を求める“おわび行脚”を十月から始めた。しかし、支払いに応じたのはわずか一割足らず。逆にこの二カ月間で拒否件数は三倍以上に膨れあがった。一方で、受信料を払っている視聴者の間には不公平感も高まり、受信料制度の根幹を揺るがす危険性も出てきた。

　こうした事態に管理職を除く全職員約八千五百人でつくる日本放送労働組合（日放労）は十一月、「責任を取るべき」と会長ら経営陣の辞任要求を決議。団体交渉に臨んだが、決裂している。

　今回の逮捕で、ＮＨＫに対し、責任の明確化を求める声が一層強まることが予想される。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20041205/mng_____sya_____004.shtml