2004年12月04日(土) 00時00分

逮捕のワン切り業者、本県など7カ所に端末（山形新聞）

　全国の携帯電話利用者に「ワン切り」の電話を発信し、通話目的以外で電話回線を使用したとして、東京都内のツーショットダイヤル業者の男女3人が有線電気通信法違反の疑いで逮捕された事件で、業者は都内の事務所から全国7カ所に設置した「ワン切り」を自動的に行うコンピューターを遠隔操作し、昨年7月からこれまで、「ワン切り」を約5800万回発信していたことが3日、県警生活保安課と米沢署などの調べで分かった。

　山形市のほかに、北海道と福島、栃木、埼玉、千葉、神奈川の5県計6カ所に同様の端末を設置。受信者に怪しまれないように、それぞれ現地の市外局番で始まる有料アダルト番組の電話番号を送信していたとみられる。

　逮捕されたのは▽東京都目黒区三田2丁目、会社役員山下修祥（52）▽同、元会社役員森村知恵子（37）▽川崎市幸区中幸町2丁目、アルバイト石川和彦（32）の3容疑者。都内などで逮捕された3容疑者の身柄は同日午後、米沢署に移送された。

　調べによると、3容疑者は共謀の上、今年10月7日午前10時ごろから同15日午前8時ごろにかけて、山形、米沢両市などの携帯電話利用者に3198回にわたり、通話目的以外で自動的に連続して電話を発信する機能を利用して、「ワン切り」発信した疑い。

　3容疑者は東京都渋谷区内の事務所のホストコンピューターから、山形市久保田一丁目のアパート一室に設置した端末を遠隔操作。この端末は46機の携帯電話に同時発信が可能で、1日当たり最大で60万回の「ワン切り」を繰り返す能力があった。

　着信履歴に山形市周辺の市外局番「023」で始まる電話番号を残し、電話をかけてきた相手を有料アダルト番組に勧誘することが目的だったという。同番組は森村容疑者が経営していたアダルト番組提供業者「アイネット」が運営し、音声案内に従って会員登録して利用すると、料金が発生する仕組みだった。

　9月上旬ごろ、同署員らの携帯電話に山下容疑者らが発信した「ワン切り」があったことが捜査の発端となった。

http://www.yamagata-np.co.jp/kiji/20041204/0000003842.html