2004年12月03日(金) 02時46分
著作権軽視 学校は“無法地帯”!? 過半数は無研修/「重要ではない」25%(産経新聞)
インターネットを使った調べ学習が学校の授業に浸透する中、全国の小中高校の55・1%に著作権教育の研修を受けた教員が一人もおらず、著作権保護について「認識はあるが重要とは考えていない」学校は25・8%に達していることが二日、日本教育工学振興会の調査で明らかになった。
著作権を管轄する文化庁は「子供たちに他人の権利を侵害しないよう教える先生自身が、著作権について知識が少ない」と、教員の意識改革の必要性を強調している。
書物やホームページ上の著作物をコピーする場合には通常、作者や著者の承諾が必要。しかし、教育目的の場合は、非営利教育機関が著作権者の利益を不当に害さない形で授業内のみで使用するなど、一定の条件を満たせば例外的に作者らの承諾なしに利用できる。
全国の国公私立の小中高校四千校が対象の今回の調査では、こうした例外的利用の条件を把握している教員がいる学校は10・1%で、著作権を熟知した教員が極めて少ない状況が浮き彫りに。
中には、大阪府のように公立学校の新任教諭全員に著作権に関する講座を受講させている先進自治体もあるが、学校相手に権利を主張する著作権者も少ないため、本来は著作権について教えるべき立場の学校が「著作権の観点からは無法地帯」(文化庁)になっている側面もあるという。
日本教育工学振興会では「どんな手続きを踏めば使えるか理解し、積極的に使って授業を充実させてほしい」と強調。文化庁著作権課は「国としても教師向け教材を充実させ、研修の効率を上げるなど対策を講じたい」としている。
(産経新聞) - 12月3日2時46分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041203-00000003-san-soci