2004年12月03日(金) 03時08分
著作権の例外規定「知っている教員いる」1割だけ(読売新聞)
授業で著作権の保護を教えながら、教師は著作権についてよく知らないという実態が2日、著作権情報センターなどが発表したアンケート調査で分かった。
調査は、今年6—7月に、全国の国公私立の小中高校など約4000校を対象に実施、約1800校から回答を得た。インターネットの普及が進む中、新学習指導要領で、中学と高校での著作権教育が義務づけられたことを受けて実施した。
その結果、過去3年間に著作権を取り上げた授業を行った学校は、全体で59・4%で、中学と高校では7割を超えていた。
一方、著作権法では、学芸会で他人の作品を上演したり、児童が発表用に小説をコピーして配ったりするなど、一定の条件を満たせば、著作権者の了解なしに著作物を利用することを認めているが、こうした例外規定の内容について、「多くの教員が知っている」と答えた学校は5・3%、「一部の教員が知っている」は4・8%で、合わせてもわずか1割にとどまっていた。
また、著作権に関する研修を受けた教員が1人もいない学校も、55・1%あった。
さらに、アンケートの自由記述の欄には、「著作権について他の教員に注意すると、白い目で見られる」「パソコンのスキルアップに重点が置かれ、著作権まで追いついていない」「訴えられたことがないので、切実な問題とならない」など、現場の認識不足を露呈する回答が多く見られた。
調査結果について、文化庁著作権課では「教育者としてのレベル以前の段階で、知識不足から、著作権を侵害しているケースもかなりあるようだ。教員向けの教材を開発したり、研修を充実させるなどして、教員の知識向上に努めたい」としている。
(読売新聞) - 12月3日3時8分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041202-00000015-yom-soci