2004年12月02日(木) 20時41分
<NHK>受信料支払い拒否・保留が11万件(毎日新聞)
NHKの海老沢勝二会長は2日の定例会見で、一連の不祥事による受信料支払い拒否・保留が、11月末現在で計約11万3000件、金額にして約10億円に上ることを明らかにした。7月に不祥事が発覚し、約2カ月後の9月末の拒否・保留件数は3万1000件だったが、10月末に6万6000件となり、その後の1カ月でさらに4万7000件増えた。件数は月を追うごとに増え続けている。海老沢会長は「10万件を超えたのは深く受け止めなければならない」と話した。
同席した笠井鉄夫副会長は、11万3000件には口座振替の停止分も含まれ、総契約数の0.3%に相当することを明らかにした。そのうえで、「予算規模からも、吸収できる範囲内」と経営に大きな影響はないとの認識を示した。支払い拒否・保留の理由では、「信頼していたNHKに裏切られた」といった声が最も多かったという。
NHKでは信頼回復のために、10月8日〜11月7日に管理職2300人が1万1000世帯を戸別訪問し、受信料の支払いを促した。こうした戸別訪問は当面続けるとしている。
また、日本放送労働組合が提出した会長の辞任要求について、海老沢会長は「書面を見たが、直接的な辞任要求とは受け止めていない。私の会長としての経営責任は、NHKの信頼を取り戻すことで、再建策をやっているところだ」と述べ、辞任する考えがないことを示唆した。
一方、NHKは同日、来春にNHKエンタープライズ21とNHKソフトウェアを統合するなどして、現在36ある関連団体を34に減らすことを明らかにした。【内藤陽】
▽服部孝章・立教大教授(メディア法)の話 NHKの不祥事を理由にした受信料の支払い拒否者が増え続けている事実を経営陣は重く受け止めるべきだ。NHKがこれまで打ち出した再発防止策などの対応では視聴者が納得していないことを示していると思う。11万3000件のうち、かなり多くはNHKの事後の対応のまずさへの批判だろう。経営的には10億円程度なら何とかなる、という話ではない。経営責任が問われかねない大きな問題だ。第三者が参加した検証番組を放送するなど放送を通じた説明責任を果たすべきだ。
(毎日新聞) - 12月2日20時41分更新
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