2004年12月02日(木) 03時04分
高速回数券40億円分を偽造、13人逮捕(読売新聞)
約480万枚(額面総額約40億円)に上る高速道路回数券を偽造していたとして、東京都内の印刷業者や製版会社社長ら13人の偽造グループが、警視庁捜査2課に有価証券偽造などの疑いで逮捕されていたことが1日わかった。
このうち、少なくとも約350万枚(同約25億円)はすでに金券ショップや運送会社などに売却され、市場に出回っている可能性が高いという。高速道路の回数券を巡っては過去最大規模の偽造事件で、同課は、背後に暴力団が関与している疑いが強いとみて組織の全容解明を進めている。
逮捕されたのは、川崎市川崎区浜町、元印刷業斉藤賢一(40)、東京都北区神谷、製版会社社長渡部敏夫(55)、板橋区高島平、印刷業中山進(62)の3容疑者ら。
調べによると、斉藤容疑者らは今年6—7月、パソコンなどを使って作製した首都高速などの回数券の印刷用フィルムを、埼玉県戸田市にある渡部容疑者の製版会社に持ち込み、アルミ製の原板に複写したうえ、中山容疑者の印刷工場でオフセット印刷して、数万枚を偽造した疑い。回数券はグループの1人が経営する荒川区内の製本会社でつづりにしていた。
斉藤容疑者は、偽造券を作るためのデータをCD—ROMに保存しており、大田区内のトランクルームからは、CD—ROMや印刷用フィルムをはじめ、偽造券約100万枚が押収された。
斉藤容疑者らは、昨年秋ごろから、首都高速をはじめ中央自動車道、東京外環自動車道、阪神高速などの回数券計約480万枚を偽造していた。額面は1枚500円から1400円で、押収分を除く350万枚以上は、すでに金券ショップなどで換金されたとみられる。
偽造回数券は、いずれも精巧で、真券を横に並べて細かくチェックしないと偽造だと分からないほどだという。
同グループ13人のうち、指定暴力団稲川会系組幹部ら数人の「換金役」は、今年7—9月にかけて、中央自動車道八王子料金所の日本道路公団事務所に大量の偽造券を持ち込んだなどとして、偽造有価証券行使などの疑いで逮捕されていた。その後の捜査で、斉藤容疑者ら「偽造役」の存在が判明。斉藤容疑者らは、暴力団関係者らから偽造を依頼されていたとみられ、同課で追及している。
(読売新聞) - 12月2日3時4分更新
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