2004年12月01日(水) 14時43分
露店の偽ブランド即座に摘発、鑑定できる捜査員が登場(読売新聞)
繁華街の露店などに並ぶ腕時計や財布などの偽ブランド品を瞬時に見抜き、違法販売業者の現行犯逮捕に結びつけようと、警視庁は1日、各ブランド品メーカー側の講習を受けた指定捜査員が、その場で商品の真贋(しんがん)を鑑定する「予備鑑定員制度」をスタートさせた。
これまでは、捜査員が偽ブランド品を発見しても、メーカー側の社員鑑定員が立ち会って偽物と判定するまで摘発できなかった。全国の警察で初めての試みに、メーカー側各社からも、偽ブランド品一掃に期待の声が上がっている。
予備鑑定員制度の仕組みはこうだ。
露店で偽物が売られているという情報があれば、予備鑑定員が現場に急行し、「予備鑑定」を実施。偽物と判定されれば、販売業者を現行犯で逮捕する。送検までに、メーカー側の社員鑑定員による「本鑑定」を実施する。
予備鑑定員は、同庁生活安全部長が指定する。この日は、「シャネル」「ルイ・ヴィトン」「ロレックス」「エルメス」の4社から、本物と偽物の違いや見分け方などについてそれぞれ講習を受けた49人の捜査員が指定され、比較的大きな繁華街を持つ都内17署などに配置された。
予備鑑定の対象となった四つのブランドは、露店で最も多く偽物が販売されていることから選ばれた。
警察が偽ブランドを売っている露店を摘発するには、これまで、メーカー側の社員鑑定員の鑑定が必要だった。しかし、メーカー側はそれぞれ、国内に数人しか社員鑑定員を置いていないのが実情。しかも、全国の警察からの鑑定要請に応じているため、鑑定員の都合がつくまでに数週間がかかり、その間に露店が姿を消してしまうケースも少なくなかった。
都内では、露店で偽ブランド品を販売していたとして、昨年1年間に45人、今年も9月末までに46人が、商標法違反容疑で逮捕されている。容疑者の半数以上がイスラエル人で、組織的に販売している疑いが強いという。一方で、露店で売られている偽ブランド品は、偽物とわかったうえで購入している消費者も多く、違法販売の情報が入手しにくいといわれる。
商標権の保護活動に取り組むフランスの社団法人「ユニオン・デ・ファブリカン」東京事務所の堤隆幸所長によると、「露店で売られている商品は、ほぼ100%偽物」という。
(読売新聞) - 12月1日14時43分更新
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