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東京都など首都圏のディーゼル車規制に絡み、三井物産が虚偽の試験データを使って適合指定を受けた排ガスの粒子状物質除去装置(DPF)を販売していた問題で、都は29日、同社を詐欺容疑などで刑事告発する方針を固めた。故意にデータを偽造したことを重くみており、30日にも警視庁と内容について協議を始める。
三井物産や都によると、同社は02年2月に都に指定申請した際、販売した製品とは異なる装置の試験データを提出し、同年4月に指定を受けた。同年7月の変更申請でも別の装置のデータを使った。都の性能確認実験で基準値を満たさなかったため、03年1月に都職員が立ち会って改めて実験したが、この時もデータを操作したという。
車の使用者はDPF装着の際、都などから費用の一部補助を受ける。三井物産は不正な手段で指定を受けた結果、車の使用者を経由して補助金相当額を受け取ったことになり、都はこれが詐欺罪にあたる可能性があるとみている。
同社のDPFは約100万円(装着代を含む)で、売り上げは補助金相当額の約80億円を含め194億円に達している。都内では約5000台が装着し、都の補助金約18億円が三井物産側にわたったという。
さらに、虚偽のデータを示したことについて、偽計を用いた業務妨害などにあたるかどうか検討している。
同社のDPFは競合する他社製品と比べて装着しやすく、維持も簡単なため広く普及した。全国で約2万1000台が販売され、シェアは3分の1に達してトップだった。
三井物産はこのDPFを他社製などと無料で交換する方針を表明している。使用者が車を買い替える場合も一定額を負担する案を都に示しているという。都はこうした措置についてスケジュールを含めて具体的に示すよう求めており、それを受け、補助金返還などの民事上の対応を検討する。
(11/29 17:42)