2004年11月28日(日) 07時02分
国産牛肉「トレーサビリティー法」来月施行 歓迎と戸惑い(河北新報)
牛海綿状脳症(BSE)対策の一環として、国産牛の個体識別番号表示を、卸・小売業者や外食業者に義務づける「牛肉トレーサビリティー法」の施行が12月1日に迫った。早々と表示を始めたスーパーなどに比べ、料理店の対応にはばらつきがある。施行を機に、消費者アピールを狙う店がある一方で、認識不足から準備が遅れている店も多い。食の安全・安心を掲げて始まる新制度だが、現場では戸惑いが見受けられる。
東北農政局によると、東北6県の対象店は卸・小売業者が約4500、外食業者が約800。対象店は、国産牛1頭ごとに振られた10けたの個体識別番号を商品パックのラベルに記したり、店内の見やすい場所に掲示したりし、帳簿を一定期間保存しなければならない。違反すると、30万円以下の罰金が科される。
前倒し実施も多いスーパーなどに対し、表示が必要な焼き肉、しゃぶしゃぶ、ステーキ、すき焼きを主なメニューとする専門店「特定料理提供業者」の対応はこれからだ。
仙台市内に5店舗ある「焼肉レストラン・ひがしやま」の東山(仙台市)は、レジ近くの壁に識別番号一覧を掲示する予定で、客の問い合わせに応じられるよう、従業員の研修にも力を入れている。
「国産牛肉であることを宣伝できるいい機会」。「やき組」を8店舗展開する「京王ズ」(仙台市)は、表示によって競合店との差別化ができると法施行を歓迎する。
ただ、必ずしも対応が進んでいない対象業者も多い。仙台市内のある専門店は「問屋から何も聞いていないので分からない」と言う。特に、取扱量が少ない店などは10けたの「数字」の扱いに戸惑いも隠せない。
東北農政局は、電話帳などを利用して「特定料理提供業者」をリストアップしているが、実際に国産牛肉を使用している業者数は確定しておらず、周知がまだ十分されていないのが実情。「対象業者は適正に表示するよう、引き続き働き掛ける」と話している。
(河北新報) - 11月28日7時2分更新
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