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【大企業の会長?!】
「正社員42人」「工場はタイに3社、香港に2社」−。通称「サイバーユーキ」こと石渡容疑者は、他社から無断転用した画像を使い、大企業を装ったHPを開設。自らも「タイのソフトウエア会社で働いた」「19歳で代表取締役就任」「株式会社コマンドコムグループ取締役会長」と潤色だらけのプロフィルを使い、5月ごろから海賊版ソフトを実名で堂々と販売を始めた。
ソフトは任天堂の「マリオ」シリーズなど人気ファミコンソフトが2264本も入ったスゴいCD−Rが1万9980円、「プレイステーション2」用ソフトを無断複製したDVD−Rが50枚で4万9500円と市価を考えると超破格の値段で販売していた。
このサイトを通じ、半年ほどで約330人に販売。同課の調べに「約1000万円を売り上げた」と供述している。
その“大企業”の本社を訪ねてみると江戸川区の古い2LDKマンション。同容疑で逮捕された無職の男(23)と2人で暮らしながら、仕事場も兼用して、コピーにいそしんでいたようだ。
【14歳で裏ゲー界へ】
「分別がつく前に『マジコン』に出会ってしまった典型的な世代」(ゲーム業界関係者)
石渡容疑者は昭和57年生まれで、実家は神奈川県横須賀市。中学時代にソフトをフロッピーディスクにコピーする「マジコン」を手にして以来、ゲーム改造に没頭。14歳で“裏ゲーム同人誌”にデビューを果たす。
中学卒業後は進学せずにその道の先達に弟子入り。「2年前まで一緒に仕事をしていた」という知人男性は「本当にテレビゲームが好きな男だった。いわゆるオタクではなく、小柄だがわりとイケメン。目上には敬語で話すなど、社会性もあった」と振り返る。
著作権意識の薄い香港やタイに渡り、改造ゲーム機・ソフトのネタを仕入れては、記事を執筆したり同人誌を自費出版。裏ゲー界に広く知れ渡る存在となっていった。
【ブラックマネーで寿司太り】
ライター業のみの時代は貧乏丸出しで、「仕事相手に電車賃を借りるほど」(関係者)だった。
2、3年前から、急に羽振りがよくなり、「『貯金がメチャメチャある』と言っていた。自宅に寿司の出前の桶がいっぱい置いてあって驚いた。金持ちになったらしく、いきなり太り始めた」(同)と海賊版ゲームバブルにおぼれた。
調子に乗った石渡容疑者は今年3月からHPで、堂々と身分を明かしてしまう。
HPには「著作権超侵害中」「著作権ってナンですか?」「全部コピーで、いいじゃない」と挑発的なコピーを列挙。「著作権シカトメールマガジン」まで発行し、「なんで捕まらないか、理由があるんです」と自信満々だった。
【年越しゲームは監禁プレイ?】
業界関係者は「ネットの匿名性を利用し、コッソリやって、さっさと逃げるのが定石なのに…」とあきれる。案の定逮捕されると、調べに「違法行為だと認識していた」と一転して容疑を認めているという。
「何より先に『ドラクエ8』だっつーの。クリアしないで年が越せるか」(HP日記より)と、27日発売の大作ゲームを心待ちにしていた石渡容疑者。ゲーム機もパソコンもない留置場の中で今、何を思うか。
ZAKZAK 2004/11/27