2004年11月26日(金) 00時00分
弁護士横領事件 会長職利用 報告逃れ(朝日新聞・)
破産管財人の業務で預かった計約6500万円を着服したとして、業務上横領容疑で県警に逮捕された元県弁護士会長、関一容疑者(54)が98年7月から約6年間にわたり、甲府地裁への報告義務を怠った上、弁護士会長在任中にはその地位を「報告逃れ」の言い訳に悪用していたことが25日、関係者の話でわかった。
地裁によると、関容疑者は96年11月、甲府市の宝飾会社の破産管財人に選任。98年7月に中間配当を終えるまでは定期的に報告していたが、それ以降は怠っていたという。
その一方で関容疑者は02年4月から1年間、県弁護士会長を務めた。事件処理が進まず、報告もない状態が続いたため、地裁は同年10月21日、関容疑者を呼んで直接、報告を促した。担当書記官のほか裁判官も同席したという。
この席で、関容疑者は「会長の任期が終わってから、しゃかりきになって報告するから」などと職務多忙を理由にして報告しなかった。その後、翌03年の会長辞任後も「出張がある」「体調が悪い」などと言い訳を重ね、容疑が発覚する今年9月まで地裁の求めを無視し続けた。
地裁は「破産管財人の業務には弁護士への信頼が大前提にある。本人の話を信用していた」と話している。
地裁では通常、3カ月に一度は報告するよう破産管財人に指示する。特に関容疑者の担当事件は規模が大きかったため、「2カ月ごとに口頭で促していた」という。
また、関容疑者は中間配当後、約1年間は横領行為が止まっていたが、今回の逮捕容疑となった99年8月に約200万円を銀行口座から引き出し、着服を「再開」した疑いが、関係者の話で新たにわかった。会長就任が決まっていた02年3月にも、一度に約500万円の不正な出金があったという。同年7月までの在任中も横領行為を繰り返していたとみられる。
(11/26)
http://mytown.asahi.com/yamanashi/news02.asp?kiji=8096
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