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2004年11月26日(金) 03時03分

「がんに効く」と無許可販売、東京の化粧品会社を捜索読売新聞

 「がんに効く」などと効能効果をうたった商品を無許可で販売していたとして、警視庁生活環境課が先月、化粧品製造販売会社「日本花ヴェール健康学センター」(東京都渋谷区、足立和子社長)の本社事務所などを薬事法違反(無許可販売)容疑で捜索していたことが、25日わかった。

 問題の商品の年間売り上げは約2億円に上るとみられる。同課は、押収した資料を分析するとともに、同社幹部らから商品の製造・販売方法などについて詳しく事情を聞いている。

 調べによると、同社は都知事から薬局・薬店の開設許可を受けていないにもかかわらず、がんやアトピーなどに効果があるとうたった「桂寿(けいじゅ)」という商品名の清涼飲料水や、「貼(は)りっ粉」という粉末商品を、昨年9月から今年2月にかけて、神奈川県内の女性1人に計約20万円で販売した疑いが持たれている。薬事法では、医薬品成分の含有の有無にかかわらず、効能効果をうたった商品は、薬局・薬店でなければ販売できない。

 同社のパンフレットなどによると、「桂寿」は、7種類の野草を煎(せん)じた清涼飲料水で、180ミリ・リットルの瓶詰1本588円。「貼りっ粉」は、卵白や小麦粉などを粉末にした商品で、水に溶かして体に塗って使う。1か月分で2万9400円。

 足立社長の著書や同社のホームページなどでは、「桂寿で大腸ポリープが消えた」「がんは貼りっ粉に誘われるように毛穴から表皮に出てきます」などと説明されている。

 関係者によると、「桂寿」は、20年ほど前から販売が始まり、年間1億5000万円以上の売り上げがあった。10年ほど前に発売された「貼りっ粉」も、年間2500万円の売り上げがあったという。同課では、両商品に実際に医薬品成分が入っていたかどうかについても調べている。同社は2000年6月、「がんへの改善効果がみられる」などと広告して「貼りっ粉」を販売したとして、東京都から行政指導を受けていた。

 捜索を受けたことについて、同社は「いずれの商品も、中身は植物で医薬品ではない。桂寿と貼りっ粉を組み合わせて使い、がんにも効果があったという患者さんがたくさんいる」などと話している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041126i201.htm