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上告審では、放送法に基づき、裁判で訂正放送を請求できるかどうかが争点となった。才口裁判長は「放送法は訂正放送についての裁判所の関与を規定していない」との初判断を示した。
問題となったのは、NHKが一九九六年六月八日、総合テレビの「生活ほっとモーニング」で放送した「妻からの離縁状・突然の別れに戸惑う夫たち」と題した番組。元夫の男性が出演し、突然、離婚を言い渡して家を出て行った元妻の心情が理解できないでいる様子が放映された。
放送法四条は真実でない放送で権利を侵害された者は、放送から三カ月以内に訂正を求めることができるとしている。この規定を根拠に、女性側は「放送法は個人からの請求権を認めている」と主張していた。
判決で、才口裁判長は放送法の趣旨について「放送事業者に対し、自主的に訂正放送を行うことを国民に対する義務として定めたもので、個人や団体の請求権は付与していない」と述べ、女性の主張を退けた。
一審の東京地裁判決は、女性の請求を退けた。一方、二審の東京高裁判決は、女性に対する名誉棄損を認め、訂正放送とともに百三十万円の支払いを命じた。最高裁は賠償支払い命令の破棄を求めたNHK側の上告を受理せず、賠償の支払いも確定した。
判決について、女性は「市民の立場からはとても奇妙な理屈に感じる。それなら、法律を変えて被害者をしっかり守れる制度にしてほしい」とのコメントを出した。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20041125/eve_____sya_____005.shtml