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2004年11月25日(木) 15時03分

<新潟中越地震>家屋修理に法外請求 急ぐ被災者心理逆手に毎日新聞

 新潟県中越地震の被災地小千谷市で、破損した家屋の応急修理や解体を依頼した住民が業者から法外な修理費を請求されるケースが相次いでいる。地元業者の見積もりで90万円の屋根修理を300万円で契約させられた被災者もいた。新潟県警と市は、雪への備えで修理を急ぐ被災者の心理に付け込んだ悪質な業者とみて注意を呼びかけている。
 小千谷市都市開発課によると、被災者からの住宅相談を受け付ける窓口に、同市指定の建築業者が加盟する組合から「県外業者が通常の2〜3倍の費用で屋根の修理を契約させるケースがある」と連絡があった。
 市内の50代の男性は、屋根の修理を約300万円で契約したが不審に思い地元業者に相談した。見積もりしたところ約90万円の工事だったという。通常は作業工程ごとの価格が記される契約書が「屋根工事一式」としか書かれていなかった。見積もりをした業者は「工事依頼が多く、手が回らない状態。男性は待ちきれなかったようだ」と話す。
 他にも通常価格の2〜3倍の見積もりを示された例が数件判明し、同組合は市を通じて各避難所の館内放送で注意を呼び掛けた。通常の3倍の価格で契約した女性は、地元業者の指摘で着工直前に解約。「震災直後で心が弱っている時に付け込まれた。危なかった」と憤る。
 また被災住宅の解体工事でも「50万円の前金を払ったのに契約の期日を過ぎても工事してもらえない」などのトラブルも出ている。
 阪神大震災では、被災した家屋の屋根瓦を修理する際、訪問販売法で定められたクーリングオフ制度を説明せずに契約させた業者や、「行政から補助金が出る」とだまして勧誘した業者が同法違反容疑で逮捕された事例がある。新潟県警も、地震での家屋修繕で高額請求があると注意を呼びかけている。
 同県危機管理防災課は「一部損壊の家屋は災害救助法など公的支援制度の対象外のため、自力で業者を探してトラブルになる。今後こうしたケースが増えると予想される」と心配している。【北上田剛、和田憲二、弘田恭子】
(毎日新聞) - 11月25日15時3分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041125-00000047-mai-soci