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預金口座の売買禁止を盛り込んだ「金融機関による顧客の本人確認法」の一部改正案が24日、衆院内閣委員会で可決された。今国会での成立は確実で口座の不正取得に歯止めをかけ、多発するオレオレ詐欺の封じ込めなどに効果が期待されている。一方で、同様に犯罪の温床になっていると指摘されてきたプリペイド式携帯電話への規制は、今国会でも見送られる方向だ。
オレオレ詐欺は昨年5月ごろから急増し、今年1〜9月の被害額は129億円にのぼった。最近では、有料サイトの利用料や借金返済の名目で現金を請求してだまし取ったり、親族らの誘拐などを装って、金を要求したりする手口も増えている。
こうした「顔の見えない」犯罪では、取り締まりや啓発活動を強化しても、次々とまた新たな手口が生み出されている。警察庁は、犯行に悪用されている口座と携帯電話の規制が効果的とみて、関係省庁とも協議を重ねてきた。
改正案では、他人になりすまし通帳を譲り受けるなどの不正利用の防止が明文化された。25日の衆院本会議で通過し、今国会で成立する見通し。違反した場合の罰則は罰金50万円以下。インターネットで客を集めて売買するなど「業として行った場合」は懲役2年以下か罰金300万円以下と定めている。
与党内で廃止法案提出が検討されていたプリペイド式携帯電話については、「通信の自由競争を阻害する」などの意見が強く、法規制は見送られた。与党の専門部会では現在、プリペイドの通話料の追加購入(リチャージ)時の本人確認や複数使用の禁止が徹底できないかを検討している。
NTTドコモは、プリペイド式携帯電話からの自主的撤退をすでに決めている。しかし、ほかの大手各社には「リチャージでの本人確認は業務量的に困難」「匿名性を排除すれば回数制限の必要はない」などの反発も強い。
警察庁は「摘発が被害の急増に追いつかない状況。口座と電話の二つを規制すれば、駆け込みで一時的に被害が増大する可能性はあるが、決定的な効果が出るはず」と話している。
(11/24 22:09)