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2004年11月23日(火) 00時00分

ディーゼル車排ガス物質減少装置 三井物産 データねつ造 東京新聞

 東京都などのディーゼル車規制をめぐり、三井物産は二十二日、粒子状物質(PM)減少装置の製造販売に際し、ねつ造したデータを提出して都の指定承認を受けていたことを明らかにした。PMの除去能力は基準値の七−八割程度だったが、基準値をクリアしているようにデータを改ざんし、約二万千五百台分を販売した。同社は無償ですべての装置の交換を行う。 

 東京都などは大気汚染の原因となるPMに排出基準を設け、ディーゼル車に対して同装置の設置などを義務づけ、昨年十月から規制している。

 この装置は子会社「ピュアース」(東京)が製造し、三井物産が販売。DPFと呼ばれる方式でのシェアは一位で、約四割を占める。

 三井物産によると、二〇〇二年二月の指定承認申請で、別の仕様の装置で得られたデータにすり替えるなどして承認を得たほか、同年七月の形状変更申請時にも性能試験のデータを不正に操作して基準値をクリアしたように見せかけた。

 さらに、東京都の独自試験で性能が低かったため、〇三年一月に都職員が立ち会って性能試験が行われたが、都職員の目をごまかして虚偽の数値を伝えた。

 問題は社内監査が行われていた今月十二日に、不正に携わった社員がデータねつ造を告白し、発覚した。子会社職員を含め少なくとも三人が関与したという。

 装置は平均百万円程度の価格のうち、四十万円ほどが補助金によって賄われており、同社に対し自治体や国から約八十億円の補助金が支出されたという。

 販売は既に中止しており、同社では詳細な調査を行うと同時に、他社製品も含め代替品との無償交換を進める。

 会見で謝罪した三井物産・槍田松瑩(うつだ・しょうえい)社長は「関係者は刑事告発も含めて厳正に対応したい。今後DPFの事業を続けていくことは考えていない」として事業から撤退する考えを示した。

■メモ PM減少装置

 首都圏1都3県のディーゼル車規制で、粒子状物質(PM)の排出基準を満たさず登録後7年を超えたディーゼル車が走行する際、排気口に装着を義務付けられる。装置は、排ガス中のPMをフィルターで集める「DPF」と、白金などの触媒作用でPMを除去する「酸化触媒」の2種類がある。DPFの方が高性能だが価格が高く、酸化触媒は性能がやや劣るが小型で価格も安い。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20041123/mng_____sya_____007.shtml