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ネット経由でのパソコン販売が急伸している。製品をじかに確かめたい客が多い日本では、パソコンのような高額商品のネット販売が普及するには時間がかかるとみられていた。ところが先行する米メーカーが低価格を武器に売り上げを伸ばし、日本メーカーも追随せざるを得なくなっている。
メーカー直販・受注生産でコストを下げる「デルモデル」で世界首位となった米デルが、日本でも好調だ。04年度上半期(4月〜9月)の出荷台数は前年同期比22%増の66万台。調査会社MM総研によると、メーカー別シェアは11.4%。外国メーカーが日本市場で10%を超えたのはウィンドウズ機が主流になった90年代後半以降では初めてという。
日本でもデル製品はほとんどの個人客がネット経由で購入している。17インチ液晶モニターを備えるデスクトップ型が13万円台。直販で流通コストを省き、受注生産で在庫リスクを軽減する仕組みは本国と同じだ。
店頭販売していない日本ヒューレット・パッカードもシェア7位に食い込んだ。注文はネットと電話だけで受けており、個人客の8割はネット経由だ。6万円を切る格安デスクトップ型(モニター別)が人気だ。
NECもネット専用モデルを増やし、今年度のネット販売台数は前年度比で約2倍のペースという。東芝も03年末にネット直販に参入。店頭モデルよりも機能を絞った低価格品で海外勢に対抗する。
調査会社IDCジャパンによると、03年の家庭向けパソコンのネット直販は前年比で77%も伸びた。デルの担当者は「日本でもパソコンの普及が進み、購入者の多くは2台目以降。ネット購入に抵抗がなくなっている」とみる。
ただ、この勢いが今後も続くかというと、日本メーカーは慎重だ。ソニーは「将来、店頭との比率が逆転するとは考えにくい」とみる。パソコンでもテレビ視聴が可能となり、店頭で画質や音質を比べる買い方が増えると見込むからだ。
しかも日本メーカーは販売店とのつきあいを大事にしてきただけに「ネット直販価格を店頭価格より下げるような取り組みはしにくい」(大手メーカー)という事情がある。
NECや富士通にとってネット直販は全体の数%にすぎないが、消費者意識の変化には敏感にならざるをえないようだ。(11/21 12:46)