2004年11月20日(土) 16時21分
下仁田町の町長リコール署名、収集人名など情報流出−−名簿閲覧中に撮影 /群馬(毎日新聞)
下仁田町の住民団体「明るい町をつくる会」(吉田貞雄会長)が進めた金井康行町長(10日付で辞職)に対するリコール(解職請求)運動で、町選挙管理委員会に提出した署名簿の縦覧(公開)中に、複数の閲覧者が署名に加わった人物の個人情報をデジタルカメラで撮影し、その内容が町内に流出していることが分かった。撮影の可否は自治体の判断で、同町は禁止していなかった。
町選管によると、署名簿305冊に3374人分の有効署名が記載されており、署名を進めた署名収集人の氏名、住所、生年月日が記入されている。
閲覧は町職員の立ち会いで行われた。写真撮影は市町村の判断に任されており、町の担当者は縦覧前にあった撮影可否の問い合わせに対し禁止されていない旨を伝えたという。閲覧に訪れた目撃者によると、複数の閲覧者が写真撮影をしていたという。
下仁田町では金井町長の辞職に伴う出直し町長選が30日に告示される。選挙戦を前に署名簿を基に作成したとみられる名簿が出回り、署名収集人の114人の氏名や住所などが記されていた。リコールを進めた「つくる会」には署名収集人から相談が寄せられているといい、町選管に名簿の回収を求めた。町選管は「撮影自体は禁止されていないため回収権限がない」と釈明。さらに「閲覧者の名前などは把握しているが、撮影した人物については明かせない」と説明している。
事態を受けて「つくる会」は、前橋地方法務局富岡支局に人権救済措置を相談したほか、弁護士と相談し法的措置も検討している。【花野井誠】
11月20日朝刊
(毎日新聞) - 11月20日16時21分更新
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