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豊橋署の調べでは、十八日午後二時五十分ごろ、市内の無職女性(65)が支店に一人で入ってきた。窓口で三百万円を下ろし、別の銀行の北九州支店の女名義の口座に送金するよう依頼した。
窓口で応対したのは、行員の上条三恵さん(28)。反射的に「おれおれ詐欺ではないですか?」と尋ねた。
蒲郡信金によると、おれおれ詐欺の恐れがある送金には「相手側の口座が個人名義」「遠隔地」「金額が大きい」という三つの特徴があり、このケースはすべて合致していたからだ。
被害者の女性は「三時までにお金が届かないと大変なことになる」と言い張ったが、上条さんは上司の坂口郷さん(50)に相談。女性の言う通りいったん送金の手続きを済ませたうえで、豊橋署に通報した。
さらに女性が送金相手と電話でやりとりするのを見て、坂口さんが電話を代わった。相手は無言になった。「やはりおかしいと思った」と坂口さん。女性には気付かれないように送金先の銀行に連絡し、送金の手続きを停止した。
豊橋署員が支店に到着すると、女性は事情を話し始めた。医療事務をしている長女になりすました女から自宅に電話があり、すぐに「上司」を名乗る男に代わり「娘さんが点滴を間違え、患者が死亡した。示談に必要なので現金三百万円を今日中に送金してほしい」と指示されたという。
その後も、この支店に対し、犯人とみられる男から「送られた金が引き出せない。弁護士を通じて訴える」と何度も電話があったという。
豊橋署は、詐欺未遂事件として捜査している。いち早く被害に気付いた上条さんに対し、来週、署長感謝状を贈る。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/ach/20041120/lcl_____ach_____002.shtml