2004年11月18日(木) 03時19分
三菱ふそう、欠陥が原因の事故件数を過少申告?(読売新聞)
今年6月に「欠陥隠し」問題が発覚した三菱ふそうトラック・バス(三菱自動車から分社)が、2000年の「リコール隠し事件」以降に、国土交通省に届け出たリコール(回収、無償交換)のうち14件について、欠陥が原因の事故件数を過少に申告するなど、虚偽の内容だった疑いがあることが、17日わかった。
国交省は、三菱側が人身などの重大事故を隠していた可能性もあるとみて、事件以後のすべての届け出について、三菱ふそうに再調査を指示し、道路運送車両法に基づく報告を求める。
三菱ふそうは、分社前の三菱自動車でリコール隠し事件が発覚した2000年7月から、大型トラックの車軸部品「前輪ハブ」の欠陥隠しを認める今年3月までの間、商用車について41件計約50万台をリコールした。しかし、今年6月の「欠陥隠し」問題で、1998年以前の欠陥・不具合情報を隠していたことが判明したため、国交省は2000年の事件後のリコールについても検証していた。
この結果、41件のうち14件は2000年の事件以前に製造した車もリコール対象だったが、三菱側は、届け出の際、98年以前は欠陥が原因の事故はなかったと申告していた。
このうち、昨年7月に届け出た大型トラックなどの車軸部品の欠陥では、リコールの対象は94年以降に製造した車が対象だが、「欠陥が原因の事故が初めて起きたのは、製造開始から7年経過した2001年7月で、事故件数はわずか13件だった」と申告。
昨年1月にリコールの大型トラックは、94年製以降が対象だが、「最初の事故発生日は99年7月。届け出までの約3年半で、事故は5件の物損事故を含め、計14件しか起きていなかった」としていた。
国交省では、三菱側が、2000年から今年3月にかけて届け出た14件のリコールについては、「製造開始時期からみて、事故件数が少なく不自然」と指摘。
今年5月に届け出た大型車のクラッチ部品欠陥のリコールでも、三菱ふそうは当初、事故件数を67件と公表していたが、その後の社内調査で、少なくとも264件に上ることが判明しており、国交省では、三菱側が事故件数を過少申告していたとみて調べている。
◆リコール隠し事件=分社前の三菱自動車が、欠陥・不具合情報計約1万300件を隠していたことが2000年7月に発覚。三菱ふそうの前身の三菱自の商用車部門では、事件直前まで欠陥部品をひそかに交換する「ヤミ改修」を実施していたが、事件を機に全面廃止。欠陥隠しの再発防止を誓っていた。
(読売新聞) - 11月18日3時19分更新
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