2004年11月17日(水) 00時00分
農協支店長の説得でオレオレ被害未然に(朝日新聞・)
「高い防犯意識」伊東所感謝状贈呈へ 孫を装った男にだまされて503万円を振り込もうとした伊東市の無職女性(69)が、「オレオレ詐欺」ではないかと気づいた農協支店長の説得で被害を免れた。伊東署は「被害防止を日頃から意識した好例」として支店に感謝状を贈る予定だ。
同市のあいら伊豆農協川奈支店と伊東署によると、15日午後1時半ごろ、女性宅に「おばあちゃん、おれだけど分かる? お父さんが保証人になって困っている」と電話があった。言われた番号に電話すると自分の息子と弁護士を名乗る男が出て同じ話をしたので最初の男が市内に住む孫とすっかり信じ込んだ。
女性はすぐに同支店で通帳を使って503万円を引き出した。窓口係の女性職員(24)が、金額が多いため「オレオレ詐欺が流行している。大丈夫ですか」と声をかけたが、女性は「私は大丈夫」と現金を持って帰宅した。
女性宅は支店から徒歩で5分程度と近く、女性とも顔見知りだった支店長の日吉健一さん(51)が、話を聞いてすぐに車で追いかけた。自宅に入ろうとしていた女性に、玄関先で「最近の手口は複数の者が電話に出たり、わざと半端な金額を求めたりするものがある。息子さんに確認した方がいい」と説得した。
話したのは10分程度で、女性は初めかたくなに「大丈夫」と強調していたという。その後、振込先を告げる電話を待つ間に思い直し、市内に勤める息子(42)に確認してだまされていたと気づいた。
支店では高齢者が100万円以上の預金を下ろす時にはオレオレ詐欺でないか注意している。警察の防犯会議に出て過去の事例を覚えていたことも役に立ったという。
日吉さんは「オレオレ詐欺は本当に怖いですね。防げて良かった」と話す。女性からはその日のうちに礼を言われたという。
(11/17)
http://mytown.asahi.com/shizuoka/news02.asp?kiji=11392
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